動的リマーケティング広告について
また、商品リスト広告以外にも新しい広告メニューが登場しています。例えば、2013年7月に日本でもスタートした「動的リマーケティング広告」があります。簡単に説明すると、レコメンド型リターゲティング広告がGoogleディスプレイネットワーク内でも配信が可能になりました。仕組みとしては、サイトに訪問し、商品を閲覧したユーザーにCookieを付与します。そして一度サイトから離脱したユーザーに対して、レコメンド会社が保有するサイト、または連携するネットワークサイトに訪れた際に商品単位でレコメンドするというものです。

「動的リマーケティング広告」の特長は、Googleマーチャントセンターに商品データベースを登録しているEC企業であればすぐに実施が可能な点です。残念な点は、今日ではその他の業界に対応していないことです。これまで、レコメンド広告を実施できる企業は最低出稿金額の関係もあり、規模感がある程度大きな企業に限られていました。しかし、今後は中小規模の企業もレコメンド型リターゲティング広告を実施することができるようになるでしょう。
Googleが目指す今後の方向性
では、Googleが目指す方向性について一緒に考えていきましょう。下の図のように、Googleマーチャントセンターは「ECに特化したショッピングのためのデータベース」というよりも、「広告配信を行うための管理データベース」へと今後は進化を遂げていくのではないかと予測しています。

既に日本でもサービスが開始されている「商品リスト広告」「動的リマーケティング広告」に加えて、「ローカルショッピング」「オンラインチラシ」というサービスも日本の一部企業にベータ版として利用されています。
ローカルショッピングとは、いわゆるO2O(Offline to Online)と呼ばれる領域のサービスで、リアル店舗の在庫状況をWeb上で把握できるものです。例えば、ユーザーが新宿付近で家電を買いたい場合、どの店に買いたい商品の在庫があるのかをスマートフォンで検索することができます。Googleに限らず、リアル店舗の在庫データ(POSデータ等)のオンライン活用は加速していくでしょう。
また、オンラインチラシというサービスが登場しています。今までもPDF形式で商品カタログとして見られるものがありましたが、それをマーチャントセンターに登録しているデータを活用して、オンラインチラシが簡単に作成できるサービスです。ポイントはユーザーの閲覧行動に応じて、カタログがパーソナライズ化できることです。まだベータ版しかリリースされていませんが、今後どのように普及していくかが楽しみです。
これまで紹介してきたように、Googleマーチャントセンターに商品データベースを登録することで商品リスト広告以外にも様々な広告メニューを実施することが可能になります。最終回となる次回は、「データフィードの最適化」という観点から商品データベースの構築及びPDCAサイクルを回す重要性について、事例とともに解説していきます。ぜひお楽しみに!