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MarkeZine Day 2014 Spring

パルコxLINExNTTドコモのキーマンが集結!おもてなしのエッセンスで世界に負けないオムニチャネル施策を

LINEでマスを取り込み、ショッぷらっとで購買につなげる

(左)株式会社パルコ WEBコミュニケーション部 島袋孝一氏
(右)株式会社NTTドコモ スマートライフ推進部 ビジネス基盤推進室
     送客基盤担当主査 石黒卓弥氏

押久保:では、パルコとNTTドコモの取り組みについて教えていただけますか。

島袋:集客に加えて購買までの設計をすべく、NTTドコモが提供する「ショッぷらっと」を使っています。これはスマートフォンを持って来店するだけでポイントが貯まり、特典と交換できる仕組みです。パルコでは、入口と上層階に設けたチェックインスポットを周り、加えて5千円のお買い上げを頂くことで千円の商品券を提供しました。2013年4月にスタートし、正式運用となった昨年秋以降、全19店舗で導入しています。

石黒:NTTドコモとして、この取組には2つの面白さを感じています。ひとつは、集客だけでなく購買まで設計されていること。11月に実施したキャンペーンでは、チェックインされたお客さまの実に4割超が5,000円以上の購買をした実績があります。同じ規模の百貨店や商業施設と比べてチェックインされる数も多く、お客さまのスマートフォン率が高かったことも奏功しています。もうひとつは、LINEでマスを取り込み、ショッぷらっとで購買につなげるという設計で、複数のO2O施策をうまく組み合わせて活用している点がよく考えられていると感じています。

実践のキーポイントは「社内理解」「オフライン側である店舗のケア」

(左)株式会社翔泳社 MarkeZine編集部 編集長 押久保剛
(右)LINE株式会社 広告事業グループ 広告事業部
LINEプロモーションセールスチーム マネージャー 林祐太郎氏

押久保:そうですね。ちなみに島袋さんに伺いたいのですが、他の企業さんがこのような取組を行う場合、一体何から始めたらよいでしょうか。

島袋:私は「O2O」や「オムニチャネル」の情報をMarkeZineで収集していますが(笑)、社員600人のうち、昨年の今頃に、このような言葉や概念を理解できている人は多くはありませんでした。とはいえ、外向けには実践せねばならない使命もあるので、まずは社内理解を得ることが大切です。もうひとつは、オフライン側、つまり店舗側のケアです。お客さまがせっかくクーポンを持って来たのに「わかりません」では本末転倒ですから。時には分厚い紙のマニュアルを渡すこともあります。

押久保:おそらく企業の上層部には、LINEを使ったことのない方も多くいると思います。彼らに納得頂き予算をもらうのは大変だと思いますが、どのように説得されたのですか。

島袋:LINE@は月額5千円なのでさほど問題はありませんが、公式アカウントの開設費用には関東圏のテレビ広告予算をシフトさせました。パルコのターゲットであるスマートフォンユーザーに多くリーチするための手法、として理解いただきました。また、ただ「テレビ広告の削減」をしたのではなく、「交通広告を拡大」させるなど、毎年広告費の考え方を柔軟に考えています

林:他のクライアント様に伺っても、他媒体から予算をシフトさせるケースが多いようです。なかでも、DMやチラシからスイッチされるケースが多いようです。またテレビCMは「リーチ」「フリークエンシー」という測定指標がありますが、スタンプの場合は「ダウンロード数」「送信回数」、公式アカウントでは「友だち数」「(リンクの)クリック数」などで置き換えて測定することもできますので、広告効果も測りやすいのではないでしょうか。

石黒:我々のチームでは、顧客企業で「O2O」「オムニチャネル」などを題材とした勉強会を行うなど、社内での機運を高めていただく「布教活動」を行っています。特に1~2月は引き合いが多かったのですが、これも次年度の予算組みを前にした動きでしょう。

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世界レベルのオムニチャネル施策を

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この記事の著者

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター

74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/03/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/19434

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