今後の展開と課題
- 日本国内で今後MCCMの展開はどうなるでしょう?
川辺:日本で今後MCCMの認知が下がったりニーズがなくなるということは、まず考えられないと思います。グローバル規模でオンライン・オフラインに関わらずデジタル化がますます進展する以上、あらゆる対応にスピードが求められる。そうすると手作業では無理で自動化が求められます。マルチデバイス化の進展も追い風になります。
今後はMCCMの普及が進むと長年言い続けてきたわけですが(笑)、ようやくそれが現実になろうとしている印象ですね。
ベンダー側の視点でいうとマーケティング領域のサービスを1つにまとめて提供するスイート化が進むと思います。スイート化した方が単価も安く設定できます。競争が激しいのでSFA市場のsalesforce.comのような、一人勝ちの状況にはならないと思います。
また、クラウド化もキーワードになるでしょうね。MCCMは歴史的に自社運用が主流です。顧客情報を取り扱うこともあってクラウドで提供されるソリューションは少なかったのですが、クラウドベンダーもユーザーの信頼を得てきているし、価格も安く設定できるので今後はクラウドが主流になっていくことが考えられます。
- 今後の課題についてはどうお考えですか?
川辺:最も大きな課題はユーザー側が使いこなせるかという点だと思います。ツールの導入は進むと思いますが、日本企業のマインドがそこについて行けるかどうか。Webやメール、スマートフォンとそれぞれ色々なアプローチをしているけれど、マルチチャネル下で顧客を中心に一貫したカスタマーエクスペリエンスを提供しようというマインドが無ければ、いくら高機能なツールを導入しても活用できないと思います。ユーザーが明確なビジョンを持って導入できるかどうかが鍵ですね。