3.グロースハックはAARRRモデルからはじめてみよう
とはいっても、どこから始めればよいのか、検討が付かない人も多いかもしれません。そのためにフレームワークがあるのですが、最初は「AARRRモデル」がとっつきやすいと思います。「アーモデル」と読みます。
Acquisition ユーザー獲得
まずは、初期のユーザー獲得です。ユーザーは、検索からくるのか、twitterやfacebook、LINEでシェアされてくるのか、Youtubeなのか、自社サイトから流しこむのか、それとも広告から来るのか。この部分をまずイメージしましょう。
自社、ソーシャルメディアのトラフィックだけでたりなさそうな場合は、広告を打つイメージをこの時点で持っておくのも手です。あくまで、初速として。
Activation 活性化
初期のユーザーを獲得したら、アクティベーションが必要です。そのために、ユーザーに楽しんでもらうことが必要です。
自社の宣伝だらけになっていないか。来てくれた人にメリットを提供できているか。満足して使い終えてもらったかを考えながら、ユーザー体験を設計します。
Retention リテンション
本当にユーザーに刺さるサービスは、企業のものであっても何度も使ってしまうものです。たとえば、第2回で紹介したHONDAのロードムービーズは、何度も使ってしまうサービスです。もう、欲しい道具がそのまま広告になっている、という理想型だと言えます。
Referral 友達紹介
ここが、プロモーションで広告費以上の効果が得られるキモになります。上記のHONDAのアプリであれば、ユーザーが使って、満足したら口コミで友達に紹介することは容易に想像できるでしょう。さらに、作った動画をtwitter、facebookにシェアすることで、さらにサービスは広まります。このループを生み出すための設計ができるかが、グロースハッカーの腕の見せどころです。
たとえば、こんな問答をチームでしてみると、サービスが立体的になってきます。「Q:人間は、なぜシェアするのか?」「A:サービスを見たり記事を読んだりして、自分の感情があふれたときに、人に伝えたくなるんだ」など。「Q:では、その感情があふれるポイントはどこか?」「A:◯◯だ。だから、そこにシェアボタンを置こう」続く……
Revenue マネタイズ
この部分は、今回はサービス自体が広告なので省略させていただきます。
Webサービスは、リリース時に完成しているものがそのままユーザーに受け入れられるケースはまれです。しかし、クライアントに「納品する」ものをつくろうとすると、その時点で100%のものを創ることになります。
もちろん、それができればベストですが、ユーザーからの反応を元に、微調整できるリソース、体制を持っておくことで、作ったサービスを2倍にも3倍にも活用することができるはずです。企業がマーケティングのために出した「おしい」Webサービスをたくさん見かけたので。