IT視点で語られることが多かったO2Oとオムニチャネル。この新連載では、小売業界、店舗側から見た本領域の最新動向を、Leonis & Co. 代表の伊藤圭史氏の観点から解説します。第1回は、楽天、Urban Research、PARCOの取り組みとその意義を解説します。
ECによる販売・接客力への挑戦
はじめまして。Leonis & Co. の伊藤です。
Leonis & Co.はオムニチャネルを専門に戦略コンサルティングからシステムまで一貫した支援を行う会社として、創業以来、東急百貨店やNTTドコモなど数多くのクライアントとともに本領域に取り組んできました。2014年6月にトランスコスモスグループへ参画を発表し、現在はグループ内のオムニチャネル推進支援サービスの 中核企業としてオムニチャネルマーケティングシステム「OFFERs」の提供を主軸とした展開を行っています。
オムニチャネル・O2O領域は今年に入って一気に認知度が広まったように感じます。すでに基本的な考え方については多く語られているので、この連載では理論や体系といった形式は抜きで、現場での支援や関係者との会話の中で見つけた「面白い」ことを、感じるままに解説していきたいと思います。
第1回は、「販売・接客力」というEC・実店舗共通の注目キーワードを軸に、各社の動向を書いていきます。
ECと実店舗が合流し、"販売・接客力"が共通のキーワードに
ECはその誕生から20年を経て成熟の期を迎えつつあります。当初、ECの限界とまことしやかに語られた壁はそのほとんどが忘れ去られ、今やECは老若男女問わず、日用品から趣味の一品まで幅広いカテゴリの商品を購入する生活の必須ツールにまで成長しました。
消費トレンドは実店舗のそれに追いつき、Pinterest、Fancy、Sumallyなど共感型消費に訴求するサイトが台頭しています。この流れを見ると、次の数年はECと実店舗が合流した、オムニチャネル型ECサイトの潮流が来ることは間違いないといえそうです。
この流れはまだ始まったばかりで、その手法はまだまだ未成熟ですが、販売・接客力が重要な要素となることは多くの専門家が合意するところです。
楽天は実店舗で接客力に挑戦
2014年5月29日、楽天は渋谷に取寄せスイーツや楽天関連サービスの発信を行う「楽天カフェ」を開店しました。楽天は2007年に「楽天経済圏」を宣言するなど、ECの覇者でありながらいち早くリアルとの融合を図ってきた会社ですが、実店舗の出店は初めての試みとなります。
この試金石的な取り組みの背景には過去行ってきた百貨店への出店の成功とそこで感じた「リアルの安心感」があるとしており、今回のカフェでも単にサービスを設置するだけでなく、コンシェルジュサービスを提供するなど「リアルの販売・接客力の獲得」に焦点があたっていることがうかがえます。このような販売・接客力を求めてECサイトが実店舗に進出する動きは楽天の成否次第では一気に加速する可能性もあり、楽しみなところです。
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伊藤 圭史(イトウ ケイジ)
伊藤圭史
Leonis & Co.共同代表上智大学卒業後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)に入社。デジタルマーケティング施策推進、CRMシステム導入など、顧客政策を中心とした戦略・システムプロジェクトに従事。2011年12月にオムニチャネルに特化してシステムとコンサルティングサービスを提供するLeonis & Co.を設立。オムニチャネルの専門家として通信会社や百貨店、電鉄など様々な企業を支援。現在はトランスコスモスグループのオムニチャネル推進支援サービスの中核企業としてオムニチャネルマーケティングシス...
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