メディアのターゲットは時代とともに変わる
そして「オフラインとオンラインの関係性についてどう考えますか?」という亀谷氏の問いに対し、「オフライン・オンラインで分けて考えるのがナンセンス」とフェイスブックの須田氏は指摘する。

(右)フェイスブック マーケティングマネージャー 須田伸氏
「例えばテレビを見ている際に『自分はオフラインメディアに接触している』、またスマートフォンを見ている時に『今はオンラインメディアに接触している』と消費者自身は思うわけがありません。メディアから何か情報を得たいという気持ちで、消費者はメディアに接触しています。オフライン・オンラインで分けて考えること自体がナンセンスです。
最近、たまに新聞を読むと、植木やゼロ戦のプラモデルなどの広告が入っており、明らかに自分はターゲットではない感じに全国紙がなっています。つまり、メディアのターゲットも時代とともに変わっていくのです。
私自身も、Facebookだけで全てが解決できるとは当然思っていません。でも、FacebookのMAUは2,100万人、DAUは1,400万人にのぼり、毎日新聞、朝日新聞、日経などの朝刊の公表印刷部数の累計よりも多い数の人が毎日Facebookを見ています。
マーケターの仕事は、クロスタッチポイントで消費者とのコミュニケーションを設計し、ブランドをつくること
博報堂DYメディアパートナーズが実施した「メディア定点調査2014」によると、20代ではすでに携帯・スマートフォンの接触時間が、テレビの接触時間よりも多くなっていた。テレビをみない、新聞を購読していない、スマートフォンばかり見ている。そんな20代に対して、ブランドのメッセージを伝えるにはどうしたらいいのか?それに対して、「クロスタッチポイントで、消費者とのコミュニケーションを設計し、ブランドをつくることがマーケターの大事な仕事」と須田氏は語る。
「渋谷や恵比寿駅にいった時にピーチ・ジョンの大きなビルボード(交通広告)があって、それと同じビジュアルが自分の手元にあるスマートフォンで、Facebookのニュースフィードの中で表示された時に、ピーチ・ジョンっていいな、と感じる消費者がいることも自然でしょう。
自分たちの商品・ブランドのターゲットがどのようなメディア接触をしているのか、そこを起点にデザインをしていけば、オンラインはこれ、オフラインはこれといったメディアありきの設計から一歩先に進めるのでは」(須田氏)