MAGNA GLOBALは26日、米国の主要なメディアを保有する企業の広告収益が前年比5.1%増の1670億ドルに成長すると予測。今年4月の予測(6.0%増)から下降修正している理由は、選挙やオリンピックの広告キャンペーンに投下される広告費の増分が予測を下回ったことによる。これらイベントの影響を除くと、今年の成長率は3.5%(前回予測は3.9%)となる。
従来メディアの成長が横ばい、あるいは年々下降しているため、2014年の成長は大きくスローダウンしており、テレビがその最も大きな要因となっている。これは選挙やオリンピックなどの状況的な要因だけでなく、ケーブルテレビやスペイン語のTVネットワーク、オンラインビデオへの長期的な移行という構造的な問題も影響している。
一方、デジタルメディアの広告収益は17.4%増の500億ドルに達するとみられる。デジタルではモバイルベースの広告が64%増と強く、デスクトップは8%増。
2015年については、メディアの広告収益は3.3%成長と予測。選挙とオリンピックの効果を除くと、成長率は4.9%で、前回予想の4.5%を上回っている。これは米国の景気見通し勢いがあるためで、成長のレベルはこの10年で最も高く、米国の広告市場は過去最高の1720億ドルに達すると見ている。
また、2015年のデジタルメディアの市場シェアは34%と予測。2017年には720億ドル、市場シェア38%となり、テレビを抜くと予測している。
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