ビデオ広告は映像と音声の両方をチェック
MZ:広告商材としては、ヤフーでは新たにビデオ広告に力を入れていますが、その審査もするのですよね。
鈴木:はい。数年前まではテキスト広告や画像広告の審査が中心でしたが、ビデオ広告では映像や音声の審査が加わりました。
竹内:人を増やすのも限界がありますから、内部の開発と外部連携とでシステムの強化も進めているわけですが、ビデオ広告など、映像系の広告の登場は、これまでのテキストや画像広告の審査とは異なり、映像や音声を再生しての審査になります。そのため、最近の商材の中でもやはりインパクトがありました。
MZ:かといって、1本ずつ視聴していたら膨大な時間がかかると思いますが……。
竹内:ナレーションや映像に不適切な表現が含まれている場合があるので、何度も再生し直したり。人手での審査は神経を使います。
MZ:既存メディアでいうと、新聞や雑誌、テレビ、ラジオの広告審査を全部行っているような感じですね。
竹内:本当にそうですね。多種多様な状況です。それに加えて、掲載面審査と広告主の審査があって。次のステップとしては、映像の審査のシステム化を進めて、より効率的で確実な方法を確立していきたいと思っています。
「何が適切か」基準づくりに注力
MZ:そのほかに最近の変化だと、どのようなものがありますか?
鈴木:悪質な広告の手法が多様化してきましたね。そのため、常に情報収集を行い、すぐに人の目とシステムで対応できるよう連携を強化しています。やはり、ヤフーとしてユーザーの皆様の「安心・安全」は守りたいと考えています。
MZ:ネットの状況をいち早く捉えて、現場に落とし込んでいくわけですね。では、現在の課題と今後の展望をお教えください。
竹内: ガイドラインを習得するのは簡単ではないので、時間をかけてトレーニングをして多種多様なプロダクトに柔軟に対応できるようにスタッフの育成には力を入れています。また、システムとの連携ももっと強化して、ユーザーの皆様に安心してヤフーをご利用していただけるよう努力していきたいと思っています。
鈴木:インターネットを使う人の層が広がり、それに呼応して広告主様の要望も変わっていきますから、ソーシャルの声を含めてさまざまな方の意見も参照しながら「何が適切なのか」の基準作りに取り組んでいきます。ヤフーとして、安全・安心な環境作りに貢献したいですね。