目的は「親しみベース」のマーケティング
コーセー小林:弊社では、化粧品ブランド雪肌精の公式Twitter(@kose_sekkisei)でSETSUKOというキャラクターを使っています。これまで化粧品会社といえば、有名な女優さんやモデルさんを起用して「こういう風になりたい」という女性の憧れをつくりだすマーケティングが主流でした。しかし3、4年前からソーシャルの時代がきているなかで、もう憧れだけで化粧品が売れる時代ではないのでは、と思ったのがそもそものきっかけです。何かユーザーと交流できるような、「親しみベース」のマーケティングがやりたいと会社に申請しました。
最初は会社から猛反対を受けましたね。今までキャラクターマーケティングを会社としてやったことがなかったし、しかもSETSUKOのビジュアルが“ブサかわ”だったので、これってどうなの?と(笑)。
JWT杉本:えっ、ではどうやってスタートにこぎつけたんですか?
コーセー小林:どんなキャラクターにするのか消費者に決めてもらいましょう、と会社に提案しました。SETSUKOとシュッとした感じの美人キャラクターを用意して、どちらが雪肌精のPRに相応しいか、Facebookでユーザー選挙をしたんです。そうしたらSETSUKOがダントツで勝った。それで会社も納得してくれて、まずはFacebookからスタートしたんです。
それから2年くらいFacebookを運営したのすが、公式情報を流すだけにとどまってしまっている感じがしました。当初やりたいと思っていた「親しみマーケティング」、つまりユーザーとの会話ができていなかったんです。そんなときにTwitterさんからお声がけいただいて、ちょうどいいなと思って開設しました。そもそも私たちは普段マーケティング畑にいて、お客様と直接触れ合う機会がない。でもTwitterであれば実際にお客様が悩んでいることに対して提案ができ、実際に商品を購入していただけたり、感想もツイートしてもらえたりと、営業の立場にもなれる。これも大きな利点ですね。ですから、現在はFacebookとTwitterで使い分けをしています。
また、丁度その頃雪肌精のCMをリニューアルしたタイミングでした。Twitter上でもCMに関する好意的なツイートが増えていたので、アドでそういったユーザーをターゲティングして、フォロー&リツイートキャンペーンを実施しました。テレビとの相性といった所でも面白いと思います。
雪肌精の日やけ止めがリニューアル発売!新垣結衣さんのCMがスタートしました!これを記念してこのアカウントをフォロー&リツイートで抽選で5名様に日やけ止めジェルをプレゼント★2/28まで受付!http://t.co/PSwsLLLAJ8 pic.twitter.com/vjBF1TXCp5
— 雪肌精公式ツイッター (@kose_sekkisei) 2014, 2月 17
始まったばかりのプロモーション
サンリオ奥村:ビッグリンカーンさんは、KIRIMIちゃん.やぐでたま同様に、最近のキャラクターというイメージがあります。いつ頃から活動されているんですか?
JWT杉本:ビッグリンカーン(@The_Big_Lincoln)は今年の8月に活動をスタートしたキャラクターです。そもそも我々は、クライアントの米国イリノイ州観光局から依頼を受けて、イリノイ州への観光誘致をミッションに活動しています。大々的なマス展開の予算はない中で、どのような展開にするのか悩んだときに思いついたのがキャラクターでした。
イリノイ州出身で日本でも有名な人物に、米国の第16代大統領エイブラハム・リンカーンがいます。彼をプロモーションに活用しようと考えました。そして既に本国ではミニ・エイブ(リンカーンの米国での愛称はエイブ)というキャラクターがいるんです。それを日本向けに、「ビッグリンカーン」というキャラにして、今のゆるキャラブームの波に乗ろうとスタートしました。
FHJ井土:Twitterなら、キャラクター自身やイリノイ州の魅力を気軽に発信できて、さらにユーザーの反応もリアルに確認できる。同じようにアカウントを持つ全国のキャラクターと交流できるのも魅力だと思っています。