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ビデオ広告事業を積極推進するYahoo! JAPANの狙いと先端活用事例

 2013年からYahoo! JAPANは広告事業の戦略を大きく転換。マルチスクリーン化がますます進む中、スクリーンを横断して配信できるビデオ広告の強化をはじめている。Yahoo! JAPANは、なぜビデオ広告に力を入れるのか。その背景とYahoo! JAPANの広告がもつ強みを、事例を交えて紹介する。

広告はマルチスクリーンでの展開が当たり前に

 Yahoo! JAPANでビデオ広告事業を統括する松原氏は、冒頭自己紹介を兼ねつつ、Yahoo! JAPANとビデオ広告事業の変遷について簡単に振り返った。

ヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニー ビデオ広告ユニットマネージャー 松原愛氏
ヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニー
ビデオ広告ユニットマネージャー 松原愛氏

 「2005年にYouTubeやGYAO! で動画サービスが開始したことを受けて、当時の弊社代表だった井上とソフトバンクの孫社長の中で、ヤフーでも無料映像サービスを開始しようという話になりました。そのタイミングで私自身もソフトバンクからヤフーへ出向しています。そして、Yahoo! BB会員向けのサービスだったYahoo!動画を無料広告モデルに変更、2009年にGYAO! を運営するUSENの株式をヤフーが取得し、Yahoo!動画とGYAO! が統合されました。この間、私は広告プロダクトの企画やマーケティングを担当、2013年以降は広告事業を中核とする現在のカンパニーで、ビデオ広告のプロダクト及び事業開発を統括しております。ずっと『動画畑』を歩んできました」と語った。

 次に松原氏はリサーチ会社が公表する数字に触れつつ、アメリカの動画広告市場全体の概況について解説した。

 「まずアメリカと日本のインターネット浸透率を紹介します。 アメリカでは3.2億人の人口のうち、約8割にあたる2.55億人がインターネットを利用しています。ビデオサービスも1.9億人が利用しており、普及率は6割に及びます」

 一方、調査会社「ニールセン」のデータによると、テレビの視聴時間にも変化があるという。

 「アメリカの1日あたりのテレビ視聴時間は、18歳から34歳で昨年から12分ダウン、35歳から49歳で6分ダウン、50歳から64歳で2分プラス、という動きを見せています。一方、オンラインビデオの視聴時間は、絶対的な視聴時間ではテレビに敵わないものの、すべての層で伸びました。特にモバイルによるアクセスが急伸し視聴時間は86%も伸びています」

講演資料より抜粋(以下、同)

 テレビでリーチしにくい層が増えると同時に、デジタルでの接触が日々増加している中、これからのマーケティングにおいて効果を最大化するために大切な点はマルチスクリーンへのアプローチだ。そういった背景も含め、1つの素材でマルチスクリーンに展開できるビデオ広告への期待は高いと松原氏は強調する。

 「昨今では特にスマホへの出稿意欲が高まっています。ビデオ広告が一歩進むアメリカでは、PCやタブレット、スマホなどのスクリーン間で、一貫したブランドストーリーを構築できる人材の育成が課題視されている状況です」

視線滞在時間は静止画広告の3倍、2種類の広告で効果を最大化

 続いて松原氏は日本の状況についての解説にうつった。

 「日本におけるインターネットの利用者は約1億人。普及率は76%とアメリカ並みになりました。しかしビデオサービスの普及率は46%と、アメリカの6割に比べると低いのが現状です。Yahoo! JAPANは、映像をもっと身近にすることで、2014年度末までにマルチスクリーンで6千万人の利用者を創出したいと考えています」

 利用者6千万人を創出するにあたり、Yahoo! JAPANとしては次の3つの戦略を推進していくという。

  • Yahoo! JAPANサービスの映像化
  • プラットフォーム展開
  • GYAO! 拡大

Yahoo! JAPANサービスの映像化

 ニュースや天気など、Yahoo! JAPANの100にも上るサービスを順次映像化することを考えているという。具体的には次の通りだ。

 「例えばスポーツ情報サイト『Sportsnavi』では、球場やテレビで野球観戦できないユーザーのために、一球速報というサービスを提供しています。これに加え、イニング終了ごとに見どころを映像で配信し、ホームラン映像をご覧いただけるようにしました。テキストだけでなく、映像で提供することでユーザーの体験を豊かにします。また『Yahoo!知恵袋』の映像化も進めています。ユーザーが投稿する質問に同じくユーザーが回答するサービスですが、このやりとりを映像ドラマにして配信するものです。最近ソーシャルを賑やかした人気の質問「家に帰ると妻がかならず死んだふりをしています」は約300万回も閲覧されています」。直近6か月で、動画対応サービスは7倍の21サービスに増えている。下期も対応サービスを増やす予定だという。

(c)Pacific League Marketing

プラットフォーム展開

 映像プラットフォームの展開も考えている。コンテンツホルダーがもつ映像データをYahoo! JAPAN映像プラットフォームに登録。このデータをYahoo! JAPANの各サービス編集担当が検索し、自分のサービスにマッチしていると思えばページ内にエンベッドする。視聴機会を創出するとともに、広告のレベニューをシェアすることで収益の還元も図るという。

GYAO! 拡大

 3つめはGYAO! の拡大だ。5年目を迎える今年、音楽ライブやテレビドラマのようなプレミアムコンテンツを積極的に調達。今年度末までに、利用者と再生数を現在の倍にしたいと考えているという。

 ではそもそも、ビデオ広告の強みはどこにあるのだろうか。この問いに対して松原氏は次のような見解を示した。

 「ビデオ広告が静止画広告と比べて注視率が高いことに注目しています。ユーザーの視線動向を調査する『アイトラッキング調査』によると、静止画広告よりも、広告以外の他要素への注視数が少ないという結果が得られました。視線滞在時間も静止画広告の2倍から3倍という結果が出ており、興味関心を引きやすいフォーマットだと考えています。このような強みを活かすため、2種類のビデオ広告を用意しております。映像冒頭に挿入される『インストリーム』、ニュースなどのページでスクロールした際に、可視領域に入ったら再生される『インスクロール』です」

 「インストリーム」と「インスクロール」。まずインストリームの特徴については次のように考えているという。

 「インストリームは、なにより広告許容度が高いことが強みです。ユーザーは映像を視聴するためにサイトを利用しているため、映像視聴に能動的です。また広告再生完了率も高いのが特長です。広告を最後まで見るユーザーは84%、1分尺の広告を配信した際でも75%という高い結果が出ており、高い認知効果が期待できます」

 一方、インスクロールについては次のような特徴があるとしている。

 「弊社の場合、インスクロールの効果も高く、Yahoo!ニュースやSportsnavi、Yahoo!知恵袋などの主要サービスにポジションされることで、国内最大級のリーチを実現できます。例えば1週間1,000万ビューの掲載をした場合、500万程度のリーチが可能です。またヤフーサービス内でご掲載いただくため、広告主様からは『安心して出稿できる』というお声を頂いております。マクロミル社との共同調査によると、ユーザーからの情報・広告の信頼度は 、大手媒体と比較してもYahoo! JAPANがトップでした」

ビデオ広告は活況フェーズへ 「見せる」+「見られる」のアプローチを

 講演の後半では活用事例が紹介された。ヤフオク!とメーカー企業、メディア企業、それぞれの目的でのビデオ広告活用事例だ。

 「まず、弊社ヤフオク!の事例です。利用促進が目的で、2,000GRP程度のテレビCMに加え、Yahoo! JAPANのインストリームとインスクロール、YouTubeのTrueViewを行いました。結果、広告認知率は58.2%、またインスクロール単体での認知も10.6%と、YouTube単体での認知4.0%に比べて、単体認知が高いことが分かりました。またテレビCMと併用することで、テレビでは到達しにくい層へのリーチができました。弊社が行った調査によると、『ビデオ広告のみの認知者』にはテレビを毎日見ない層が多かったのです。またテレビCMとビデオ広告どちらも認知した場合、態度変容が1.5倍~3倍になりました。ブランド想起も、広告の非認知ユーザーより認知ユーザーの方が5~7ポイント高く、テレビCMとの併用にはメリットがあると分かりました」

 続いてメーカー企業の事例を紹介。今年のワールドカップのタイミングで発売した、4K対応テレビのキャンペーンの中で動画広告を利用。「より見てもらえる」工夫を行ったという。

 「狙いたいターゲットに配信する『純広告』に加え、ウェブ上で動画コンテンツを拡散するという、『見せる』+『見られる』の2本立てでアプローチしました。『見せる』アプローチでは、弊社のインストリームとインスクロールをご利用いただきました。また『見られる』アプローチとしては、ユーザーが見たいと思うコンテンツ制作に注力しました。著名スポーツ解説者と、実況中継アナウンサーを起用し、製品の特徴を実況中継風コントで解説するという、ユニークな内容です。

 ビデオ広告は、今後より増えるでしょう。その中でこの企業様の事例は、『見せる』広告に加え、ユーザーが意思をもって視聴し、拡散してくれる『見られる』広告に注目し、効果を最大化した事例だと思います。Yahoo! JAPANのトップには『Yahoo!映像トピックス』という枠があり、SNS拡散の起点になっていると言われています。この企業様のビデオ広告はこのYahoo!映像トピックスにも掲載され、大きく視聴を伸ばすことができました」

 このような「見せる」+「見られる」というアプローチは、広がりを見せつつあるという。最後に紹介されたメディア企業の事例では「見せる」アプローチとしてテレビCM素材をソーシャルに適した形に加工して配信、また「見られる」アプローチとしてソーシャルで人気のクリエーターとのコラボを行っている。また、この企業の場合は視聴完遂率も指標にしたという。

 「この企業様の課題は、求職者がバイトをしたいと思ったときに自社ブランドを想起してもらい、サイトを利用いただくことです。マインドシェアを高めるため、視聴完遂率を指標にするのが良いと考えました。またウェブ広告はテレビをあまり見ない層へのリーチを獲得するためと考え、ターゲット層が主に利用するスマホのリッチアドとしてビデオ広告を活用しました」

 最後に松原氏はこれからについて次のようなメッセージを会場へ贈り講演を締めくくった。

 「映像をより身近なものにするために、Yahoo! JAPANは今後もどんどん映像化を進めます。また2つのビデオ広告商品をベースに、ユーザーのマインドシェアを高めるアプローチを広告主様とともに行います。マルチスクリーンにおいて記憶に残る広告を実現するために、今後も広告主様の課題解決に資する、プロダクトの開発、新たな取り組みを行っていきたいと思います」

※2014年10月27日をもちまして、「Gyao!」は「GYAO!」にサービス名称を変更いたしました。

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この記事の著者

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/11/11 10:00 https://markezine.jp/article/detail/21222