銀だこアプリに見る、オムニチャネルEC
競争が激化している市場の中で、顧客を囲い込み、収益率を高め、さらに新規顧客を獲得するためには、顧客を中心に据えたロイヤリティマネージメントの考えかたをeコマースに実装しなければなりません。
「アクセスはマルチ、対応は一貫を求める顧客と「強い関係」を築く これからの“つながるフルフィルメント”とは」のコラムで、弊社辻が触れていましたが、顧客との関係性に力点を置き、既存の優良顧客との関係を深め離反を防ぎロイヤリティを高めると同時に、新規顧客を獲得する流れを加速させることで、売上げ、収益共に最大化することが重要です。
たこ焼き好きの知人から教えてもらって「銀だこ」のアプリを使い始めてみました。今年の4月1日にリリースされたため比較的新しいアプリですが、これがなかなか面白い。
店舗近くに行くと1日1回写真が投稿できるようになっていて、店舗の看板やたこ焼きの写真を撮ってポイントをためられます。店舗の近くにいないと投稿はできません。ポイントを8個ためると「たこ焼き100円引き」クーポンがもらえて少しお得な気分。個人的には8回も店舗に行って100円引き、ということは1回あたり12.5円か……、と商売人の悪い癖が出てしまうのですが、街を歩いていてふとした瞬間に銀だこの店舗を見つけてしまう自分がいたり寄り道をして店舗の近くに寄ってみたりと自然に銀だこを意識していることを感じます。
アプリの完成度としては、ここまでやったならたこ焼きの予約注文機能があって待たずに買えるとよいな、とも思いますが、来店誘導の仕掛けとしては非常によくできていると思います。ジオフェンシングの成功事例といえるでしょう。
ジオフェンシングとは
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ジオフェンシング(Geofencing)とはあらかじめ定めた特定のエリアに仮想的な「フェンス(柵)」を作る仕組みのことで、GPSやWifi、iBeaconなどスマートフォンのセンサーを利用してユーザーの位置情報を検知し、エリアの中に入ってきたユーザーに対し自動的に情報配信を行うことができます。アプリを起動していなくてもプッシュ配信機能を利用してもれなく情報を届けられるため、来店誘導には強力な仕掛けですね。
さまざまな店舗誘導のアプリを調査してみましたが、今のところジオフェンシングの技術は店舗の近くに行かないともらえない「クーポン」とセットにして利用されることが多いようです。
とはいえ、今までならクーポンを準備したり探したりする必要や手間がありましたが(事実、マクドナルドにはレジ前の列から少し離れた場所でクーポンを探している人によく出会う)、店舗の近くに近づいただけで自動的にクーポンが表示されることはユーザーにとっても利便性が高いと言えるでしょう。(続きはECzineで)
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