2014年2月に、LINEマーケティングをよりダイレクトかつ双方向に進化させるプロダクトとして「LINEビジネスコネクト」が発表された。本連載では、LINEがスマートフォン時代のCRM基盤になる可能性を秘めた「LINEビジネスコネクト」の活用事例を紹介していく。今回は「パン田一郎」のキャラクターを活用したコミュニケーション施策を仕掛けるリクルートジョブズの板澤一樹氏と福田基輔氏にお話をうかがった。
LINE上で、ユーザーと1to1コミュニケーションを実現したい
リクルートジョブズは、2014年7月に、リクルートテクノロジーズの技術協力のもと、LINE公式アカウント「パン田一郎」を開設。「LINEビジネスコネクト」を活用した同アカウントは、ユーザーとパン田一郎の間で様々なコミュニケーションを行いながら、『フロム・エー ナビ』のバイト情報などを取得できることから、話題をよんでいる。(関連ニュースはこちら)
LINEビジネスコネクト:LINE公式アカウントの各種機能を企業向けにAPIで提供し、各企業がカスタマイズして活用できるサービス。従来のLINEユーザーへの一方通行のメッセージ配信だけでなく、特定のユーザーに対してより最適化されたメッセージ送信や双方向コミュニケーションなどを実現する。

同社はパン田一郎のLINE公式アカウント(以下、公式アカウント)を開設する以前に、スポンサードスタンプ施策を数回にわたって実施してきた。一般的には公式アカウントと連動させてスタンプ施策を行うのが主流だが、「LINEビジネスコネクトが発表されるまでは、リクルートジョブズとしては公式アカウントの開設に踏み切ることができませんでした」と、同社 メディアプロデュース統括室 グループマネジャーの板澤一樹氏は語る。
「一般的な公式アカウントは、同じ情報を全ての友だちに向けて送信する仕組みです。しかし、求人情報はとてもパーソナルなものです。なので、大多数の方に一様に提供する価値のある情報は少ないと考え、公式アカウントの開設には至っていませんでした。ただ、LINEのプラットフォーム上で、1対1のコミュニケーションができないかとはずっと考えていました。そんな時にLINEビジネスコネクトがリリースされるという話をうかがって、すぐに取り組みました」(板澤氏)
パン田一郎との会話から、実際にバイトに応募した人も!
リクルートジョブズが手掛ける求人情報メディア『フロム・エー ナビ』は、2~3年ほど前からパン田一郎というキャラクターを軸にしたプロモーションを行ってきた。同メディアのターゲット層はフリーターから主婦までと幅広いものの、プロモーション展開としては学生を中心に据えている。

「パン田一郎は、おっかなびっくりバイトに取り組む大学生という設定です。パン田一郎というキャラクターを身近に感じてもらい、かつ学生さんに共感してもらえれば。そして最終的にはフロム・エー ナビを利用していただくことが目的です」と、同社 メディアプロデュース統括室の福田基輔氏は語る。また、公式アカウント名を企業名ではなく、“パン田一郎”というキャラクターの名前にしている点も、同社のこだわりだ。

2014年11月時点で、パン田一郎の友だち数は約840万人弱にのぼる。またユーザーと交わされた会話は、9月単月で累計1億3,000万回を達成したという。そして、この一連の施策は、実際の応募へどの程度結び付いたのだろうか。
「純粋想起率を指標にした認知の向上、同時に実際の応募数にどのように影響してくるかを、シングルソースパネルの間接効果と直接誘導を計測することで把握しています。LINEのスタンプに関しては、比較的に想起率が良く、認知から応募につながりやすいという結果が出ています。もちろん直接効果も出ていますが、間接効果としても最終的なコンバージョンに与える影響は高いと認識しています。実際の応募数については公表できませんが、直接的・間接果的に効果を上げていくことが至上命題です」(板澤氏)
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安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)
翔泳社 メディア編集部門 ビジネス編集統括 第2メディア編集部 部長 兼 Biz/Zine編集長
慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、新規事業を創出。2019年4月~2026年3月、MarkeZine 4代目編集長。2025年4月よりBiz/Zine編集長を兼任。2026年4月より現職。編集業務と並行して、デジタル...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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