SMO(ソーシャル・メディア・オプティマイゼーション)
もうひとつプル型のマーケティング手法ということで、最近ではソーシャル・ブックマークやSNSなどでのユーザー間の共有~口コミ効果を狙ったSMO(ソーシャル・メディア・オプティマイゼーション)といった考え方も生まれています。
SMOはいまや無視できないほど増えてきたブログやSNS、ソーシャルブックマークなどのソーシャル・メディアのトラフィックをターゲットにして、いかにそこからのトラフィックを増やす対策を講じるかという考え方に基づくものです。
具体的には、このMarkeZineの各記事ページにはてなブックマークにブックマークできるボタンがついていたり(他にも、ITmedia Biz.ID、ITproなどのニュース系サイトで見られます)、ブログと同様にトラックバックができたり、外部からリンクをはってもらいやすくする機能をもつことが必要な対策になります。
同様の意味でRSSフィード配信を行い、外部のサイトがコンテンツのマッシュアップを行いやすくすることも、外部からのリンクを増やしてトラフィックの増加を見込むことができます。もちろん、そうした機能拡張もさることながら、そもそもユーザーが自主的にリンクをはりたくなるような魅力あるコンテンツを用意することが何より重要なのはいうまでもありません。
これまでオンラインでのマーケティングといえばSEMばかりが注目を集めてきましたが、SMOをうまく行った場合には、SEMによる検索エンジンからのトラフィック以上の数字を、ソーシャル・メディアから得ることも決して不可能なことではありません。SMOの場合、単に外部リンクが増えるだけでなく、それがユーザー間で共有されたり、ブログやSNSで話題になったりするために、口コミ的効果も同時に得られることもあります。
ユーザー行動の3つのS
SEM、ブログマーケティング、そして、SMOなどは、どれもインターネットユーザーの主体的なオンライン上の行動に最適化することで、企業とユーザーの接する機会を増やすことに重点を置くものです。現在のオンライン上でのユーザーの情報収集活動を分類すると、Search(検索)、Subscribe(購読予約)、Share(情報の共有)の3つにカテゴライズできますが、ここまで紹介したSEM、ブログマーケティング、SMOはすべてこのユーザーの情報収集活動の3つのSに対して最適化されたものととらえることが可能です。

上の図を見ていただいてもわかるとおり、3つのSのすべて情報選択の主導権はユーザー側に委ねられています。これがオンラインでのマーケティングの2つ目の特徴といえるでしょう。そのため、ユーザーの要求に対して最適な解を提供できる企業が最終的に選択されるわけです。この場合の最適解は単に情報の中身の問題だけでなく、見つけやすさや利用しやすさの問題だったりもします。見つけやすさ、探しやすさというユーザーの要求に応えるためには、3つのSのすべてに最適化されている必要があるでしょう。つまり、検索しやすく、定期購読しやすく、共有しやすくすることです。
具体的には、検索エンジンへの最適化や、ブログ検索サイトに対してPING送信を行うこと、RSS/Atom Feedの配信、トラックバック機能、パーマリンク、ソーシャルブックマークへの登録ボタンなどの機能があることが望ましく、そして、何より企業自らがユーザーのコミュニティに飛び込んでいく姿勢が必要になるでしょう。
