アプリのローカライズが不要、魅力的な台湾市場
今回、マルジュが台湾展開を決めた理由の一つに、日本国内アプリと台湾の親和性がある。
「実は2013年頃から、国内デベロッパーのアプリや自社アプリのデータを見てみると、“国内アプリなのに台湾でのGooglePlayにおけるインストール数がなぜか勝手に伸びている”という傾向があったのです。国内以外でもインストールされる場合もあるのですが、日本の次と言われると断然、台湾。アスタの台湾アクセスが全体の約5%(2014年12月実績10億imp)という事もありました。
現地視察や台湾のGooglePlayのランキングなどを調べていると、日本のアプリをローカライズせずに、台湾ユーザーがアプリをインストールしている姿が見えてきました。広告モデルのアプリはシンプルな操作性のゲームであるというのも要因だと思います。また、台湾には、日本語をある程度理解できる方々がおり、日本語のままで展開しているアプリも抵抗なくインストールしているようです」(松本氏)
時期的にも、今が良いタイミングだという。ここ1年で日本のゲームデベロッパーの台湾進出がニュースになっている。アスタのクライアントも出稿意欲が高まっているという。環境が整っていても出稿主がいない数年前に比べて、需要と供給のバランスが整ってきた。そこで、今までは“アイコン型で二次収益”という形だったが、次は“台湾で三次収益、四次収益”と、違う地域でのマネタイズを提案していく予定だ。基本的には日本での体制と同様に「アスタ」の実データを元にした提案を行い、メディアのプラスオン収益に貢献していきたいという。
「台湾へ本格的に進出する事で、在庫数も2倍の20億インプレッションまで持ってゆく事が目標です。現状、ノンプロモーションでダウンロード数を伸ばす事が可能なため、プロモーションをすれば、よりユーザーを増やせると考えています。そこで、広告費プレゼントのような形のキャンペーンを打ち、プロモーション支援も同時にする予定です。メディアも広告出稿ができるというアスタの特長でもある仕組みを活用していきます」(松本氏)
10億インプレッションのうち、9割がAndroid
台湾で今人気があるのは棒人間系のゲーム。画面をタップする事で、棒人間がジャンプなどアクションをするというシンプルなものだ。日本メインでリリースしているにもかかわらず、台湾でのダウンロード数の方が高いというアプリもあるほどだという。また、端末別のOS数ではAndroidがiOSに比べて圧倒的に高い。
「台湾全体として毎月約10億インプレッションある独自在庫のうち、その9割がAndroid。これはおそらく、台湾における端末のシェア率が反映されていると思われます。このため、台湾でのマネタイズではAndroidを中心に提案していく予定です。日本デベロッパーの台湾マネタイズにおけるNo.1のシェア率を狙います」(松本氏)