バナーに店舗までの距離を表示するとCTRがアップ
― では、AdNearを使った事例を紹介していただけますか。
猪谷 海外での事例でよく見受けられるのが、ファーストフードのような多店舗を持つお客様の事例です。さきほど申しあげたように店舗の周囲にジオ・フェンスを設定し、消費者がその中にはいると広告が表示されます。バナーには、位置情報から最寄りの店舗を判別し、場所を案内したり、店舗までの距離を表示し、店舗への誘導をはかっています。
また、リッチアドを活用し、地図などをエクスバンドバナー上に表示するなどの工夫もしているようです。公開できる事例ではインドネシアのPizza Hatさんなどがありますが、他にも同様な事例が多数あります。
― 距離が表示されるというのは面白いですね。
猪谷 海外で行ったテストでは、通常の広告配信と距離を表示した場合を比較すると、「店まで何メートル」と表示したほうがCTRが高いという結果が出ています。これはオーストラリアでの事例ですが、BWSというお酒のリテールのお客様の事例です。店舗の集辺2.5kmをジオ・フェンスし、中にいる消費者に広告を配信しています。キャンペーンの中でテストグループを設定し、距離がダイナミックに表示されるバナーと、そうではないバナーとで比較をしたところ、距離が表示されるバナーのほうがCTRが71%良いう結果になりました。
キャンペーンの効果測定の簡易的なリサーチも可能
猪谷 これもオーストラリアの事例ですが、ある有名な車メーカーでは、過去の位置情報をベースにして車の潜在的購入者に対してキャンペーンを実施しました。自社のディーラーと、競合社のディーラーの住所で位置情報を持つセグメントに対して、キャンペーンを行いました。
効果測定の一環として、キャンペーンの期間中とその前で、自社のディーラーの近くで私たちが広告を配信できるアプリが開かれたかどうかをモニタリングしました。その結果、キャンペーン期間中は自社ディーラーの周辺でアプリが開かれた数が23%ほど上昇したそうです。もちろんこれだけで効果があったということはできませんが、参考情報としてレポートに加えることもできます。
― こういったリサーチとしての利用も日本で可能になると。
猪谷 キャンペーンの目的などに応じて、今申しあげたようなリサーチをレポートに組み入れることも可能です。
― アプリの利用者は、こうしたデータの取得や利用については理解していると考えてよいのでしょうか。
猪谷 AdNearは個人を特定できる情報は取得していません。また取得している情報も、各アプリの利用規約に基づいて、アプリ側で取得されたものを利用しています。
― 日本で対象となるアプリはどのくらいあるのでしょうか。
猪谷 現在はグローバルにサービスを展開しているアド・エクスチェンジで配信できるアプリが中心です。グローバルとはいってももちろん日本製のアプリもありますし、海外製でも日本でポピュラーなものもあります。現在国内でリーチできるユニークユーザー数は、月間で約2000万くらいです。 。
配信にあたっては、アプリに対してターゲティングするというよりは、利用者がいる状況に対して配信するというイメージで捉えていただいたほうがいいと思います。あくまでもアプリを開いたときの状況と、利用者の特性が基礎になっているということです。
アプリというのは、外出先でも見るものなので、そんなにすぐにコンバージョンはしないと思います。広告を配信する対象のオーディエンスと、場所、時間をきちんと設計すれば、確実にブランドや店舗に対する興味、関心度を向上させることは可能だと思っています。AdNearは、そのためのひとつのツールなので、広告配信をした結果、どこにより消費者とのエンゲージを高めるチャンスがあったのかといったところまで提示することで、継続的に使ってもらえるツールにしたいと考えています。
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