なぜグロースハックが求められるのか
消費者の変化が早い理由のひとつとして、iPhone6の爆発的な大ヒットが挙げられる。
画角が大きく両手で使うUIと、従来の片手で使うUIは、変えなければならないことは言うまでもない。デバイスによって大きく異なる“タッチできる範囲”を意識したボタンの配置や、ゴールデンゾーンを考慮したUIの設計が必要なのだ。
また、ほとんどの企業はPCサイトからスマートフォンサイトに変換しているだけだが、このやり方ではスマートフォンサイトがコンテンツ過剰になっているケースが非常に多い。成功している企業では、スマートフォン用にコンテンツを減らして、リライトするという作業をしている。
スマートフォンではじっくり読むことがないため、直感的になればなるほど良く、少ない情報量でも“いかに早く判断してアクションに繋げられるか”を追求しなければならない。
「これらのトレンドの変化はスピードが速いので、“いかにミートさせ続けるか”ということが重要になる。集客に依存したマーケティングだけでは、限界がある。これこそが、グロースハックがホットな領域になっている所以だ」と須藤氏は説く。
グロースハック成功の秘訣は“早く×たくさん”
グロースハックの重要性は理解したが、成功するためのキモになるものは何なのか。須藤氏は2つのポイントを挙げた。
CVRの改善は成長率に複利的に響いてくることを理解している
たとえば10万人のユーザーがいるサービスで、週次の成長率が2%だった場合と3%だった場合では、1年後には1.7倍もの開きが出てくる。したがって、グロースハックを始める時期が早ければ早いほど効果的だということだ。
打席数(改善の手数)をとにかく増やす重要性を理解している
成功していく企業は、シンプルにたくさん改善しているところだ。数千回のテストをすべてプロットしてみると、たくさんのチューニングをかければかけるほど、パフォーマンスが良くなることがわかる。