スマホサイトのトップページリニューアル後、広告のCVRが大幅に改善
押久保:あらゆるセグメントに対応するのは、むしろヤフーじゃないとできないことのようにも思います。
高田:その点は、デバイス特化型のサービス提供会社と大きく違うところですね。とはいえ、ユーザーがスマホに移行しているのは事実なので、われわれも当然スマホに力を入れてはいます。特に、マネタイズですね。
基本的には、コンテンツを消費する体験とできるだけ違和感のない形でマーケティングをしていきたいので、その考えを今回のスマホ版Yahoo! JAPANとYahoo! JAPANアプリのトップページのリニューアルに反映させています。広告への接触も含めて、PCでの体験を再現するのではなく、スマホの操作性ありきで構築しています。
押久保:ユーザーにはおおむね好評とのことですが、広告主の評価はどうですか?
高田:速報値ですが、コンバージョンレートはかなり上がっています。広告もデバイスとの親和性が高いため、非常に良い結果が出ているので、評価いただけているのではないかと思います。
押久保:広告商品は、どのようなものがあるのですか?
高田:主にはインフィード広告、アプリインストール広告、プレミアムビジョンの3種類です。前者2つは見た目は同じで、スマホサイトに表示される、パーソナライズ化されたタイムライン型の掲載面に掲出されます。プレミアムビジョンは、トップページ上部に入るビデオ広告で、テレビCMと同じ素材を使ったブランディングが可能です。
アプリならではのターゲティングに注力、今後はディープリンクへも対応
押久保:インフィード広告は、クリックすると広告主のサイトに遷移する、いわゆる従来型の広告ですよね。アプリインストール広告の特長は何でしょうか?
高田:アプリインストール広告は、クリックすると、iOSであればApp Store、Android OSであればGoogle Playに遷移し、ダウンロードしたらすぐに元のページに戻れるようになっています。
裏側の特長としては、データの使い方と、トラッキングですね。まずデータの面では、アプリに特化したターゲティングとして、例えばアプリレビューサイト「AppBank.net」を訪れた、アプリに関心があるユーザーへも配信できるようにしています。トラッキングは、各種効果測定ベンダーさんと接続し、アプリ内でのコンバージョントラッキングまでを可能にしました。
今後はアプリ内で「ディープリンク対応」することで、アプリの中の特定画面へのリンクも可能になるので、特定商品のプロモーションもできるようになります。実はアプリだと、これができていないんです。
押久保:言われてみれば、そうですね。
高田:アプリはまだ、ウェブのユーザビリティを追っているフェーズですが、やはりローカルにあるという強みがあり、操作性もウェブよりいいので体験として優れています。ただ、ターゲティングという点だと、まだウェブのほうがいいんですよね。なので、その部分のキャッチアップをしていくのが課題です。