運用効率改善&ソーシャル拡散力を味方に、時代にあったオウンドメディア運用を
では最後、運用についてはどうか。はてなは、月間約4,500万ユニークユーザーからのアクセス下にあっても、快適な動作を実現しており、安定性・堅牢性は折紙付だ。実際、外部のクラウドサービスのサーバーでも、数千万アクセスの中、安定稼働を保証することは難しい。はてなの場合、日々膨大なアクセスがある環境の下、安定稼働を続けてきたという実績がある。これだけのシステム運用を、自社で行うことはほとんど不可能だ。
さらに、日々進化を続ける機能や、わかりやすいインターフェイスにより、WordPressやMovableTypeといったブログシステムはもちろん、一般的な大手ブログサービスよりも使い勝手や機能性は高いという評判だ。大手ブログサービスの中には継続的な機能開発を積極的に行えていない事業者もあるが、はてなブログは常に最新のネット技術やトレンドに対応するべく、機能追加を続けている。だが、はてなブログMediaが提供する付加価値はほかにもある。それがソーシャルメディアを通じた拡散だ。ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」は、多くの読者のブックマークを集約し、人気記事を一覧表示する。はてなブックマークのコミュニティを通じたネットでの拡散力は非常に大きい。
たとえば先ほど事例として紹介した「量産型ワーキングマザーでいこう」の記事は、400件以上の「はてなブックマーク」を獲得しており、Facebookでのシェアは1万件を突破、ツイッターのリツイートも1,600以上に上っている。こうしたソーシャルメディアの拡散力は、オウンドメディアという言葉が登場した3~4年前にはまだ主流ではなかった。
高野氏は、「オウンドメディアやコンテンツマーケティングの重要性が叫ばれて久しいですが、はてなブログMediaでオウンドメディア構築に乗り出す企業は、今の時代に合ったオウンドメディア構築を目指しているのでしょう」と語る。はてなブログMediaなら、SEOに加え、ソーシャルメディアの両方で、より強力にオウンドメディアを訴求できるからだ。
オウンドメディアの意義から考える、「KPI」と「適切なコンテンツ量」
企業にとって、オウンドメディアはどのような意義を持つのか。高野氏はこれについて、「目的は企業によってさまざまですが、目指しているのは『ターゲット層にリーチすること』です。マス広告は広い層にリーチできますが、取りこぼしも多い。そうした層に届けられるのがWebの良さであり、オウンドメディアの意義だと思います」という見解を述べる。
たとえば現在の20~30代の若手層は、テレビ・新聞離れが進んでおり、むしろネットの視聴率が高いといわれている。こうした層にはWebを通じたマーケティング活動が有効だ。紙の雑誌の延長線上にあるWebメディアではなく、自社で運用するオウンドメディアであれば、年代も性別も関係なく、幅広い潜在層に向けた種々多彩な情報を自由に掲載できる。その中で、誰かの心を動かすコンテンツがあれば、ブックマークや共有、または「いいね!」などにより、より多くの人の目に触れていく。これが企業やブランドのエンゲージメントにつながったり、売り上げに貢献したりするケースがある。オウンドメディア自体は、明確なビジネスゴールよりも「ターゲット層にリーチする」という、ある程度のゆるさの中で運営されていることで発揮できる意義がある。
そんなオウンドメディアに対し、どのようなKPIが適切なのだろうか。高野氏は「ページ閲覧数(PV)やユニークユーザー(UU)はやはり大切な指標です。ただ、たとえばPVだけが目的ならば、掲示板のまとめサイトをやれば済む話です。重要なのは、企業としての視点をきちんと提供すること。そこで重視すべきは、その記事を読んだ読者の『読後感』です。読後感を可視化するには、はてなブックマークを使い、読者からのコメントを収集して分析し、独自のKPIを設定するのも一手だと思います」と語る。
では、企業の視点を届けるコンテンツについて、最適な分量はあるのだろうか。これに対して高野氏は、「量より“質”、つまり内容です」ときっぱり言い切る。「ひと昔前までは、スマートフォンで閲覧できる、コンパクトな量のコンテンツがシェアされやすい、といわれていましたが、はてなブックマークで話題になる記事を見ると、必ずしも当てはまりません」(高野氏)
概要だけ知りたい“ざっくり派”は、内容よりも主題のタイトルに反応しやすい。一方、“量より質派”は、内容を読み込む力が高く、資料的価値を重視する傾向にある。はてなブックマークも「あとで読む」という機能を備えていて、コンテンツの内容を読み込みたい読者ニーズに応えている。はてなブックマークの人気エントリーは、「あとで読む」も含めて、コンテンツごとのはてなブックマーク数を集計し、読むべき人気記事を表示している。つまり、「短ければ良い」のではなく、「内容があること」へと、コンテンツの消費が変化しているわけだ。こうしたコンテンツ消費の変化や、最新テクノロジー動向にいち早く対応できるのが、はてなブログMediaの強みでもある。
こうしたことから、はてなブログMediaに関心を抱く企業は増加の一途をたどっており、高野氏は「営業担当者を増やさないと、とても対応しきれません。この記事を読んだ方の中で、営業希望の方は、ぜひ連絡してください(笑)」と語る。そんな多忙さの中だからこそ、「本気でオウンドメディア構築を目指す企業を、応援したい」という思いは強く、はてなブログMediaでできる最大限の支援を行なっていくという。