30代以上にはわからない? Twitterが支える若者の熱量
MZ:施策後に得た気づきはありますか?
金澤氏:正直、Twitterがここまで盛り上がっているとは思わなかったですね(笑)。施策を通して若者を中心とした、Twitterでの盛り上がりを目の当たりにしました。私たちの世代に比べると、予想できない規模と熱量だったので、とても驚きました。
赤坂氏:それは私も同感です。当社は常時15名ほどの学生インターンをとっているのですが、どの学生もTwitterを熱心に使っている。高校生や大学生にとってはメインのSNSという位置づけが確立されているのですよね。ですから、我々の世代にはわからない、アツさというのがTwitterには確実に存在すると感じます。
金澤氏:「何でこんなことをリツイートするんだ?」というようなことが、何千もリツイートされて、我々の常識では考えられない広がり方をする。つぶやいた一言にとにかく影響力があって、それをファンの方が次々とリツイートしているのですよね。
しかもそのリツイートされている人がお世辞にも一般的に認知率が高いとは言えない方々だったりする。タレントたちよりも身近な人たちの言葉が、ダイレクトにTwitterユーザーに届いて、行動を喚起させている。これもTwitterならではの現象だと感じます。
ゲーム進捗に大量のRT、「リア充乙」も悪い反応ではない
MZ:施策を打って、Twitterユーザーからのポジティブなフィードバックや、印象的な反応はありましたか?
金澤氏:先ほど触れたキャンディークラッシュのゲーム大会の際は、「ゲームを始めるよ」とか「今日はここまで進んだ」というツイートが、瞬く間にユーザーに広がっていく。1人の芸能人に1回ツイートしてもらうよりも、Twitter内のインフルエンサー10名がツイートしたほうが、金額的にも数的にもはるかに効率がいいケースもあることもわかりました。
他にも、第三者ツイート配信ではないのですが、当社ではテレビCMを始めたときには必ずTwitterでも告知します。そのときの反応は目を見張るものがあります。どこのエリアでどれだけCMが流れるのか、どんなバージョンがあるのか、などの問い合わせのツイートや電話がひっきりなしにかかってきます。
赤坂氏:当社の場合も、いろいろと面白い反応がありました。カップル向けアプリは、恋人がいて幸せな人が使うものです。砕けた表現をすると、「リア充」が使っている。第三者ツイート配信もハートがたくさん飛んでいたりします。ですから、恋人のいないユーザーが、Couplesを宣伝してくれているインフルエンサーに対して、負の感情を持つ可能性も否定できません。
しかし実際には、「リア充乙」といったつぶやきの後に、「カップル専用アプリを使えるようになりたい」とか「カップル専用アプリの宣伝をできるような男になりたい」とか、面白おかしく自分の非リア充っぷりを訴求する。一見、やっかみの入ったネガティブなものですが、実はポジティブな反応です。このような反応が非常に多かったことが、興味深かったです。
また、これはオーガニックの話なのですが、このアプリでは“記念日”というカードが作成できます。そして、カードはワンタップでTwitterに投稿することができます。Twitterで検索すると、カードの画像が何千枚と出てくる。こちらからTwitterでの共有を大々的に誘導していないので、完全にユーザーが自主的にとっている行動です。ユーザーにとってTwitterへの共有は当たり前という認識があって、結果的にプロモーションができている。これもユーザーの反応としては印象的だと感じます。