自分でやる/他人に任せるで仕事を徹底仕分け
── 八方塞がりですね。その状況をどうやって改善したんですか?
作業をアウトソースすることを考えました。作業をすべて一人で抱えていると、時間を作るためにひとつひとつの作業にかける時間を減らそうと「効率化」することに意識が回ってしまいます。実際、私もそう考えて徹底的に効率化していきました。結果的に業務効率は上がりましたが、仕事の量が増えていったことで、また手が回らなくなってしまいました。だから、仕事にかける時間ではなく、仕事自体を減らしてしまおうと考えたのです。
そのために、まず自分の仕事の「判断基準」を洗い出しました。判断基準が明確な作業であれば「誰でもできる仕事」とし、TeachmeBizでマニュアル化しました。判断基準が明確ではない、私でなければ判断ができない「私にしかできない仕事」に集中しようと考えたんです。
── わかりやすいですね。
バシバシ仕分けしていきました(笑)。判断基準を洗い出した後、一週間使って「誰でもできる仕事」をTeachme Bizでマニュアル化していきました。このとき、多少はいつもの作業に+αの時間を要しますが、未来への投資なのでしょうがないですよね。
マニュアルが完成した後、週一日で3時間くらいのピンポイントで作業してくださる方を探しました。先程述べた「KPI作成に必要な数字を集めてくる仕事」です。これがまた苦労しました(苦笑)。週一日、たった3時間だけ働いてくれる人が見つからない。複数の人材紹介会社に問い合わせてみましたが、この条件では厳しいと返答をいただいたり、1時間あたりの単価が非常に高かったり…。
ハローワークも活用!
── せっかくマニュアル化してアウトソースを実行しても、コストが見合わないのであれば本末転倒になってしまいます。
そうなんです、これは予想外の誤算でした。途方にくれていたところ、たまたま知人である会社の社長が、ハローワークで同じように厳しい条件でも働いてくれる人を見つけたことを教えてくれました。早速、ハローワークに求人を出したところ、今までの苦労が嘘みたいに応募が集まりました。ハローワークでは事情により週五日では働くことができない人が多く、週一日3時間の条件でも働きたい人がたくさん集まってくれたんです。
日時の条件が厳しい代わりにスキル面はゆるい。ただ既に作業のマニュアルが用意できていたので、複雑な作業でも画面をみながら作業してもらえる状態でした。「パソコンが起動できてExcelに数字を打ちこめる人」ならOK、ハローワークに求人を出した翌週には、実際にオフィスに来ていただき作業をしていただくことになりました。
「KPI作成のための数字集め」は、会社としてはかなり重要な数字です。これを集めるには結構な時間がかかります。集める元になるのは、Google Analyticsやzendesk、メール、その他のデータベースから出力されたCSV等。すでにマニュアル化していたので、アルバイトのかたはTeachme Bizに従って作業すればいい。IT業界出身ではない方でも簡単に作業ができます。数字集めをアルバイトのかたにお願いできるようになったので、私が使える時間は大きく増えました。
しかし、マニュアルを用意していてもつまずくことはあります。そんなときは、アルバイトの方にマニュアルも更新してもらえばいいんです。TeachmeBizの利点は「簡単に作成・更新できる」=誰でも使える点です。つまずいた箇所は私が気づかなかったところとも言え、つまずいた方に更新をして貰えば、マニュアルはよりわかりやすくなっていきます。また、採用させていただいたアルバイトの方が私たちのサービスのターゲット、ペルソナである「Webアプリケーションを使ったり、PCのソフトを触ったりするのに苦手意識を持っている人」だったことも良かったです。