導入から活用まで“伴走”しながら手厚くサポート
マーケティングオートメーションの成功事例を分析したことで、“鉄板の施策”を見つけ出したシャノン。同社が多数の成功事例を収集できて、そうした気付きまで得られたのは、ただツールを開発するだけでなく、顧客と“伴走”しながら導入して活用するところまでを一気通貫でサポートしてきたからだろう。その点について株式会社シャノンの長崎氏は次のように説明する。
「当社が目指しているのは、ツールを導入してもらうことではありません。導入後にリマーケティングメールなどの機能を活用してもらい、顧客企業の売上アップにつなげることです。『このセグメントの見込客には、どんなタイトルのメールを送ろう』『LPはAとBのどちらがいいか』といった改善施策に注力してもらえるように、ツール導入にかかわるマーケティング担当者の負担をできるだけ減らせるように努めています」(長崎氏)
同社のツールを選定すれば、経営幹部への説明用資料の作成、システム部門への技術的な情報提供、個人情報流出などの法的なリスクを気にする管理部門へのフォローなど、さまざまな面において二人三脚によるサポートを受けられる。
主要なツール開発会社の中でも、そこまで手厚くサポートしてくれるのは同社くらいだという。機能面では、主要各社はほぼ横一線。コンペになったときには、“伴走”しながらサポートするという姿勢が決め手になって選ばれるケースが多いのだとか。認知度は海外勢に劣るが、こういった“丁寧さ”が5年連続シェア1位の要因となっているのだろう。
まずは一歩、正しく取り組んで好循環を生み出す
広告費を投じて新規の見込客を集め、自社サイトやマーケティングオートメーションツールによって見込客へ継続的にアプローチし、最終的には受注へとつなげていく。そうした一連の流れの中で、マーケティング機能の重要性を認識する企業は増えてきているものの、「どこにいくら投資したから、どれだけ売上が増えたのか」と明確に数値で把握できている企業はそれほど多くなく、機能の優位性や概念のみの理解に終始している感があると長崎氏は指摘する。
「ただ、当社自身がマーケティングオートメーションを活用することをきっかけとして、見込客を顧客へと変える確率を高めて売上を増やし、次には広告への投資を増やすことで新規見込客の獲得数を増やすという好循環を生み出している。
自分たちでそうした経験をしてきたことで、あらためて強く感じたのは、成果を数値として把握していくことの重要性。何に投資すると、どんなKPIが改善され、最終的にはどれだけの売上が期待できるのか。見込客の獲得から売上までのプロセスごとにKPIを設定し、投資対効果を数値で把握することを徹底したことで、経営陣に広告予算の増額を申請するにしても、承認を得やすくなりました。
そういった成果の計測方法、KPIの設定の仕方まで提案させていただき、より好循環が生まれやすいシナリオを描くお手伝いをすることも、マーケティングオートメーションツールを開発する当社の使命なのかもしれません」(長崎氏)
いかに優れたツールでも正しく活用することができなけば、成果に結びつけることは難しい。シャノンの例のように、正しく理解し正しい方向で活用することができれば、マーケティングオートメーション活用のハードルは高くないのかもしれない。