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このデザイン、なんかダメ――その理由は『もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』が教えます!

 自分で何かデザインするとき、あるいはデザイナーに依頼するとき、「これがいい」「あれがダメ」と感じても、うまく言葉にできなくて困ったことありませんか? 翔泳社が8月21日に刊行した『もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』は、デザインやデザイナーと関わる仕事をしている方へ贈る、「いいデザインの理由」をクイズ形式で解き明かす解説本です。

もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本

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もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本
著者:ハラヒロシ、ハヤシアキコ、平本久美子、ヤマダジュンヤ
出版社:翔泳社
発売日:2015年8月21日(金)
定価:1,800円(税別)

目次

  • 1章 構成~ビジネス系デザインで理解する
  • 2章 文字~コンサバティブ系デザインで理解する
  • 3章 色~カジュアル系デザインで理解する
  • 4章 写真・図~ナチュラル系デザインで理解する
  • 5章 ウェブ・DTP~パワフル系デザインで理解する

「なんとなく」だと伝わらない

 バナーやフライヤーなど、ちょっとしたデザインが必要なとき、本職ではない方でも自分で作ってしまうことがあるのではないでしょうか。ですが、デザインの基礎知識がないと、なんとなくで良し悪しを判断してしまいがちです。

 あるいはデザイナーに依頼するときでも、でき上がったデザインに対してなんとなくいい、悪いと感じても、具体的にどういう言葉で説明すれば伝わるのか、困ってしまうことがあるかもしれません。

 人を説得し、届けたい情報をきちんと伝えるデザインにはプロが活用する理論や法則があります。その基礎を知らずして、デザインの良し悪しを判断するのは尚早。うまく情報が伝わらないどころか、誤解を招く恐れすらあります。

 翔泳社ではデザインで困っているそんな方のために、プロが判断した「いいデザイン」と「ダメなデザイン」を比較して学ぶことのできる『もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』を8月21日(金)に刊行しました。

いいデザインには理由と目的がある

 本書の前作にあたる『クイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』は、日本はもとより台湾でも好評をいただきました。担当編集の本田によれば、本書では前作以上にデザインの「理由」を考えることが大事だといいます。

 前作はa案とb案、どちらがいいか、とクイズ形式で問いかけるだけだったんですが、今回はより「考える」ことに重点を置いています。いいと思うほうを選んだあと、その理由を説明してもらうようにしているんです。そのためのヒントも書いてあります。

 いいデザインには理由がありますから、それを説明できないといけません。そして、デザインとはなんとなくで作られるものではなく、目的をもって作られるものなんですよね。伝えたいことがあるからこそ、デザインが必要になるんです。

 なぜいいと感じたのかを自分の言葉で説明できるようになれば、自分でデザインをするときはもちろん、デザイナーが作ってくれたものの良し悪しを判断し、さらに突っ込んだ話ができるようになります。上司を説得するときも、なぜあなたが作ったり選んだりしたデザインがいいのか、説明できなければなりません。本書はデザインのいい部分、悪い部分を説明することができるようになるための解説本です。

 デザインを仕事にしている方の参考になるだけでなく、むしろ、DTPやウェブデザインをしている方、マーケティングや企画、編集をやっている方など日常的にデザイナーと接する方が、デザインの基本を踏まえて話ができるようになればいいなと思っています。

 自分の感性やセンスを信じきって、理由を説明することなくデザインを選んではいませんか? 身に覚えのある方、ぜひ本書でデザインの基本を学んでみてください。センスを磨くにも、「なんとなく」から脱して理由を考えることが大切です。

 では、実際にどんなクイズが載っているのでしょうか。少しばかり時間を取って、じっくり解き進めてみてください。

目を引く度合いの高い色は?

第1問 難易度★
パッと目を引くデザインはどちらですか? その理由も説明してください。

第1問a 第1問b
a案(左) b案(右)
ヒント:意識しなくても目に入ってしまう色はどちらですか?

 この問題で重要なのは、「誘目性」という概念です。色には赤から紫までのスペクトラムがありますが、人の注意を引きやすい色があります。赤やオレンジ、黄といった暖色系は誘目性が高く、青や紫など寒色系は低いのです。そう考えれば、答えはすぐに分かりますね。

第1問解答

 暖色系は接する色(背景色)が白でも黒でも際立ちますが、寒色系は接する色が黒だと沈んで見えてしまいます。ですので、「この情報を目立たせたい!」というときには暖色系を使い、目立たせず落ち着かせたいときは寒色系を使いましょう。ただし、掲載する情報に優先順位をつけるのも重要です。あれもこれも、と暖色系で彩ったら、結局どの情報も目立たなくなってしまいます。

誘目性

 これはどこかで見たことがあるかもしれませんが、光のスペクトラムです。誘目性は色の鮮やかさや明るさが強いほうが高くなります。背景色と合わせて眺めてみると、ここまでの解説が実感をもって理解できるのではないでしょうか。

キッズ向けワークショップのチラシはどう配色する?

第2問 難易度★
キッズ向けワークショップのチラシ、どちらが適切ですか? その理由も説明してください。

第2問a  第2問b
a案(左) b案(右)
ヒント:配色での「重心」を考えてみましょう。

 デザインには目的があります。第2問で提示したチラシは、どういう目的を持つものでしょうか。いつ、誰に、何を伝えるものかを考えれば、おのずとそれにふさわしい、いいデザインが見えてくるはずです。

第2問解答

 このチラシは夏休みに開催されるキッズ向けのイベントをお知らせしています。つまり、明るくて元気なイメージがぴったりです。青い空と白い雲、それと明るい太陽の色合いが印象的ですね。逆に、aのほうは雨雲と雷の色で、夏の嫌なにわか雨のようです。

 また、今回は「彩度」と「明度」が重要になります。彩度は色の鮮やかさや強さを表し、明度は色の鮮やかさを表します。明度と彩度が高いと軽い印象になり、低いと重い印象になります。bのチラシでは下部に明度の低い茶色を使うことで、低重心になって安定感が出ています。bはまたしてもその逆です。

明度と彩度 重心

 デザインの目的に合わせ、落ち着きを演出する低重心がいいのか、それとも緊張感や不安定さを訴える高重心がいいのか、色を使い分けてみてください。

複数の写真をバランスよくレイアウトするには?

第3問 難易度★★★
バランスのよい配置はどちらですか? その理由も説明してください。

第3問a第3問b

a案(上) b案(下)
ヒント:紙面に対角線を引いて、重さのバランスを比較してみましょう。

 難易度が急上昇しましたが、素人目にはたしかに難しい問題です。一枚の紙面に対して、複数の写真をレイアウトしなければならない場合、罫線や枠などの補助線があれば考えやすくなります。

 「えいやっ」と配置する前に、紙面を等分する線や対角線を引いてみてください。すると、バランスのいい配置がぼんやり浮かび上がってくるのではないでしょうか。

第3問解答

 今回は難しかったかもしれません。「バランスの取れたデザイン」は、ともすると個人のセンスによると思われがちですが、実はここにも規則があります。それには重心を意識することが大事です。

対角線 対角線

 例えば対角線を引いたとき、対向する位置に同じウェイトの要素(写真や画像など)を配置すると、バランスを取ることができます。「同じウェイト」とは、基準となる要素と同じ面積を持つものや、複数の小さい要素などです(要素の色でもウェイトが変わります)。重心が傾かないように配置することで、絶妙なバランスでデザインすることができるでしょう。

分からないことが分かるようになる

 普段、なんとなく分かった気になっていたデザインには、実はこんなにも奥深い規則や理由があったのです。いいと感じた理由を明確に言葉にすると、ほかのさまざまなデザインやレイアウトでも活用できるようになるはずです。

 当然、デザインをより深くきちんと知ろうとするには、もっと厳密な理論や詳細な解説が必要です。しかし、専門でない方がそうした解説書を読み通すのは骨が折れるでしょう。ここはぜひ、クイズでデザインを学んでみませんか?

 あのデザイン、いったい何がよかったのか。どこが悪かったのか。そんなふうに分からないままでいるよりも、分かったほうが仕事も捗ります!

担当編集:本田
担当編集:本田

※ちなみに、本書のクイズ用画像を作ってくださった著者のハラヒロシさん、ハヤシアキコさん、平本久美子さん、ヤマダジュンヤさんは、皆さん最前線で活躍するプロのデザイナー。そのため、むしろダメなデザインを作るのが難しかったそうです。

 ですが、いいデザインを分解し、そこからダメなデザインに仕立てることで、比較する2枚の画像ができたとのこと。リバースエンジニアリングのようなこの手法が可能だということは、やはりデザインには理由があるということですね。

もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本

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もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本
著者:ハラヒロシ、ハヤシアキコ、平本久美子、ヤマダジュンヤ
出版社:翔泳社
発売日:2015年8月21日(金)
定価:1,800円(税別)

目次

  • 1章 構成~ビジネス系デザインで理解する
  • 2章 文字~コンサバティブ系デザインで理解する
  • 3章 色~カジュアル系デザインで理解する
  • 4章 写真・図~ナチュラル系デザインで理解する
  • 5章 ウェブ・DTP~パワフル系デザインで理解する

 

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この記事の著者

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2015/08/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22796

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