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クリエイティブを“科学”する動画マーケティング

オンライン動画のパターンと使い分けをマスター!マーケター必見の「SHHIP(シップ)」モデルとは?

Help動画:疑問の答えを提供する

 Help動画は、何らかの疑問を持って検索エンジンを使った人に対し、答えとなる情報を動画で表現したものです。いわゆるハウツー動画が代表例です。

 分かりやすい事例としては、米国Home Depotのハウツー動画シリーズがあります。

 その中の一つ「How To Tile a Bathroom Floor」は、2008年に公開され、それから7年をかけて約160万回も再生されています。米国では、自宅のいろいろな箇所をDIY(自力で設置・修理) する人が多くいて、風呂場のタイル張替えに関する情報が求められているという環境があります。

 この動画の再生数の多さは、Home Depotの動画がその答えを提供するコンテンツとして、検索エンジンに上位表示され続けていることが背景にあります。(記事執筆時点では、この動画は「How To Tile a Bathroom Floor」とGoogle検索するとトップに表示されます)

 この事例が象徴するように、Help動画は生活者が検索する疑問を把握し、動画を使って、最適な答えを提供することで、検索エンジンの上位表示を狙う「動画によるコンテンツSEO」としての意味合いが含まれまると言えるでしょう。

 動画は、文字や写真よりも視覚的な説明力が高く、生活者にダイレクトな回答を提供できます。また、検索エンジンは動画コンテンツを有利に評価する傾向があるともいわれています。こうした理由から、動画という手法と、検索を意識したハウツーコンテンツは相性が良いというわけです。

 マーケティングにおけるHelp動画の役割は、生活の疑問を検索するタイミングをブランド認知のキッカケに変えたり、生活者の悩みを解決することで、ある種の「恩」を感じてもらい好感を持ってもらうことでしょう。また、Home Depotの動画でも行われているように、ハウツーに商材が直接登場する場合は、商品理解の向上や購買への誘導も可能です。

 一方で、Help動画は即効性のある手段ではありません。あくまで企業が提供する知恵を、検索しやすい形でネット上にアウトプットしておき、長期的な影響を狙うものです。

 Home Depotの動画が今の再生数になるまで7年かかっているように、ある期間の露出量は、その時に情報をさがしている人の数(≒検索ボリューム)によって制限されます。よって、期間の決まったキャンペーンにいれる施策というよりも、年間施策として中長期で取り組むべき手法と言えます。

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Habit動画:戻ってくる理由を作る

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この記事の著者

小野 敬明(オノ タカアキ)

外資系コンサルティングファームにて戦略コンサルティングに従事した後、2014年に企業のデジタル動画マーケティングを支援する株式会社Viibarに参画。自社のマーケティング活動を統括すると共に、動画を活用したマーケティング戦略や、データを基にした動画の企画・制作メソッドの開発を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/08/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22956

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