圧倒的な量のオーディエンスプロファイルを活用できるBlueKai
BlueKaiは、プラットフォーマーという中立的なレイヤーとしての立ち位置を活かし、DSPやメディア、データプロバイダなど数百の参画事業体に対して、データマーケットプレイスの提供とデータの収集を行っており、圧倒的な量のオーディエンスプロファイルを保持している。日本では今年オムニバスとの連携を開始し、国内のオーディエンスプロファイルの充実に力を入れている状況だ。
企業はこれらを3rdパーティデータとし、自社の顧客情報や売上といった1stパーティデータと、選択したパートナーとのみ共有する2ndパーティデータとともに、ターゲティングや各種分析を行える。外部プレーヤーと接続した実行チャネルへの展開や、Look-Alikeモデルによる潜在顧客の発掘も容易だ。
特筆すべきは、この1stと3rdパーティデータをインテグレーションせずに利用できること。新たにターゲットを作成する操作は、画面上に並ぶデータのメニューにチェックを入れるだけでいい。データの粒度が細かいので、属性以外にも例えば『ハイブリッドカーを購入しようとしている人』といった限定的なオーディエンス選択もできる。「データのメニューは、ライブラリーサイエンスの学問を修了したスタッフが時流を鑑みたトレンドや母数を精査して作成していて、常に10%ほどが入れ替わっていきます。膨大なデータを、当社のBlueKai専門チームがマーケターのために使いやすく整えていることが、この製品の強みです」。
シナリオ作成から実行までを簡単なUIで行えるResponsys
次に「ORACLE Cross-Channel Marketing Platform」と銘打っている2つのMAツールが紹介された。基本的にはResponsysがBtoC領域、EloquaがBtoB領域で主に活用されているが、「この2つは大まかに、購買プロセスの指向性と顧客の捉え方が異なっています」と福田氏。Responsysは顧客を「群」で捉え、コンバージョンを誘導して購買をフォローする。一方Eloquaは顧客を「個」で捉え、ステータスを管理していく。
展示会などでの名刺交換から個人をリードとし、段階を経てナーチャリングしていく一般的なBtoB商材はこれに合致する。基本的にBtoBとBtoCでは、製品上の住み分けがされているが、BtoC でもEloquaが採用されるケースがある。例えば、米バスケットボールリーグNBAの本年度の優勝チームでは、ファンとのコミュニケーション戦略にEloquaが活用された。「スポーツの顧客管理は、ホームコートを地理的に中心とした、究極のエリアマーケティング。観戦しにくる個人のステータスを詳細に追いたい場合は、Eloquaが有効です」。
「Responsysの特徴は、何といっても直感的に使える優れたUI」と福田氏。きめ細かなトリガー設計や柔軟なA/Bテスト、またシナリオ作成もアイコンのドラッグ&ドロップで簡単に行える。実行チャネルは、メールのほかにWebコンテンツのコントロールや広告配信まですべて網羅している。
「強調したいのは、シナリオ作成から実行まで一連の流れを、管理画面上でマーケターが完了できることです。シナリオは自動実行できるので、かなり複雑な数百のシナリオを同時進行で回し、日々チューニングしている例もあります」。