「誰がいつ、どんな行動をしているか」から考える
MZ:新規事業のグループレッスンを進めるうえで、顧客一人ひとりの行動を捉えることは、具体的にどのように役立っているのでしょうか?
福﨑氏:例えば、グループレッスン事業の「サイタカメラ教室」というサービスのあり方や名付けにも反映されています。「カメラ教室」という名称は特別変わったものではありませんが、「サイタ写真教室」とすることもできたかと思います。なぜ写真教室にしなかったのかというと、両ワードのパフォーマンスを比較した場合、表層だけ見ると実はほぼ同一です。しかし、「カメラ教室」というワードからの流入の方が、継続率が圧倒的に良いのです。
写真教室というワードから入る方は、高度な写真技術の習得を目指している方が多い傾向があります。一方、当社がこれまで提供してきたものは、趣味として日常の中で楽しめるような習い事サービスです。お客様とミスマッチが発生しないように考えると「カメラ教室」という打ち出しがベストだと判断しました。このような議論は一般的には感覚で進められがちです。しかし、当社ではお客様一人ひとりの行動を捉え、効果を確実に可視化して判断しているので、自信を持って進められています。
MZ:どういった人にどのようなサービスを提供したいか、という視点に立ってサービスの展開を考えられるのですね。
福﨑氏:そのとおりです。また、どのお客さんがどの時間に、どのような行動をとったかに意識を向けることで、行動を逆算して、広告を運用することもできます。グループレッスン事業は出席率100%、満席率100%を目指しているのですが、どの流入経路で広告に触れ、何曜日のレッスンを受講すると、出席率はどうなるのかを一人ひとりチェックしています。
例えば、Facebook経由で申し込みをされる方は、土日のレッスンを受ける方が多いです。おそらく、ご自身で検索したわけではないので、週末にちょっと行ってみようかという気持ちで申し込まれているのでしょう。一方、検索広告では平日の昼間に受講希望される方が多い。この方々は習い事としてカメラ教室を認識されている。このような傾向がわかれば、土日の授業は人が集まりすぎているから、Facebookの広告は少し抑えて、そのぶん集客したいレッスンに向けた広告を展開する、といった施策ができるようになります。
「一人ひとりの顧客を追うこと」からアイディアが生まれる
MZ:ほかに、注力されている取り組みはありますか?
福﨑氏:直近では、申し込みフォームの改善をしました。以前は氏名やジャンル、先生など10項目くらいあったものを、氏名と電話の2項目に絞り、代わりにコールセンターを置いて、担当者がニーズを聞いて案内する仕組みに変えました。利用者が受動的な姿勢でも入りやすくしたところ、CVRが2.5倍ほどになりました。
今は、フォームも含めて、スマートフォン中心のUIへのリニューアルを実施中です。フォームやUI変更の効果検証にも、ウェブアンテナを活用しています。
それから、こちらも現在進行形ですが、オウンドメディアの運営を始めています。オウンドメディアで潜在顧客のリストを取得し、リマーケティング広告で顧客化へつなげる予定です。広告でCPAを小刻みにチェックすることも大切ですが、LTV全体の視点で本来ポテンシャルがあるだろうジャンルやキーワードを見つけ、打ち出すことで、CVRを大幅に伸ばせると考えています。
MZ:効果検証に基づいた展開だからこそ、発展が期待できますね。最後に、広告運用の最適化に取り組みたい企業へのアドバイスをうかがえますか?
福﨑氏:一連の取り組みで私が最も「やってよかった」と思っているのは、一人ひとりの顧客を追うことです。当社の規模でも、最初に私がLTVを検証して仕組みをつくるのに丸1か月かかりましたが、その分たくさんのアイディアが得られました。顧客の理解にしっかりと取り組むことで、細かい改善ではなく数倍のリターンを得られる施策を考えられると思います。
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