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デジタルマーケティングプラットフォーム「Microsoft Azure」の魅力とは?(AD)

サイト運営に機械学習を導入する時代に~PV向上に繋がる「Microsoft Azure」の活用法とは

 現在マーケティング基盤として、注目が集まっている「Microsoft Azure」の展開を紹介する本連載。今回は、いち早く機械学習の導入を進め、成果をあげているというナレッジコミュニケーション 代表取締役CEO 奥沢 明氏とシステム開発部 佐々 啓佑氏に、その活用法について話を聞いた。

導入のきっかけはトラフィックの伸び悩み

左から、株式会社ナレッジコミュニケーション 代表取締役CEO 奥沢 明氏
システム開発部 佐々 啓佑氏

 Webサイトの運営者なら誰もが抱いているであろう課題として、「訪問者を増やしたい」「PVを増やしたい」といったことが挙げられる。しかし、それに対する有効な手立ては限られており、そろそろ限界を感じているマーケターも多いのではないか。

 ナレッジコミュニケーションでは、おけいこやスクールの口コミサイト「ナレコム スクール 口コミ検索サイト」を運営している。ユーザー主導の口コミサイトでは、運営者側が投稿内容のクオリティをコントロールすることは難しく、サイトのトラフィックが伸び悩んでおり、課題に感じていた。

ナレコム スクール 口コミ検索サイト

 何か新しい施策が打てないものかと考えた奥沢氏は、クラウド型プラットフォームながら、データ分析などマーケティングへ活用できる機能を複数備えている「Microsoft Azure(以下、Azure)」に目をつけた。中でも、手軽に使える機械学習のサービス「Azure Machine Learning」を提供していることを知り導入を始めたという。(関連記事はこちら

 「他のツールと比較しながら評価してみると、かなり使い勝手が良く、高精度な印象があったため、採用することに決めました」(奥沢氏)

機械学習でサイトのパフォーマンスを改善する取り組みとは

 では、サイト内のパフォーマンスを向上させるために、具体的に機械学習をどのように活用しようと考えていたのだろうか。

 「最初は口コミサイトに投稿される“不正な書き込み”を自動削除する機能が作れないかと考え、期待を寄せていました。これまで不正な書き込みを見つけて削除する作業は非常に属人性が高く、工数がかかるという問題がありました。実装はまだこれからになりますが、機械学習であればこの問題を解決できると考えております。

 また利用を続ける中で、機械学習を基にレコメンデーションの機能を作り、ユーザーのサイト内回遊の促進に使えるということにも気づきました。さらに、仮説検証を繰り返すアクセス解析においても、機械学習を活用することで自動的に最適なPDCAを回せるようになる可能性も見えてきました」(奥沢氏)

 Azureを基盤にサイト運用を始めた結果、少なくとも数%~10%のPV向上が見られたという。ナレッジコミュニケーションでは、こうした機械学習のノウハウを自社運営の口コミサイトで蓄積した上で、SIerとして顧客向けにAzureを活用した機械学習のソリューションも提供している。

 「お客様の導入事例では、テキストマイニングや広告の最適化、他にも大学の研究機関と共同で細胞の動きを予測する取り組みにも活用されています。また、弊社では社内研修の一環で、社内のメンバー全員で機械学習のトライ&エラーを行っています。人によって仮説の切り口が変わると、分析結果が変わってくるところがおもしろいですね。今までデータ分析は専門家がいないとできないものでしたが、機械学習であれば最終的な判断は機械が自動的に行ってくれます。私たちはそのために必要なヒントを都度与えるだけで、PDCAを高速でリアルタイムに回すことができる。それが機械学習の強みだと思っています」(奥沢氏)

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クラウド基盤になることで受ける恩恵の数々

 ここまで「Azure Machine Learning」のメリットを聞いてきたが、Azureのクラウド基盤としてのメリットはどういったところだろうか。両者にたずねたところ、複数サイトの運営をする際に役立っている点が多いという。

 「通常、ひとつのサイトのためにサーバーを用意して環境を整えてしまうと、他に転用がきかなくなってしまいます。しかし、Azureを活用することで、新しいメディアを立ち上げる際にも、わざわざ新たに専用の環境を構築する必要がなくなり、少しの設定変更だけで対応可能になるところが魅力ですね」(奥沢氏)

 「容量の不足や、パフォーマンスの低下が起きた際に、管理画面からクリックひとつで柔軟に対応ができるので、トラフィックが急増したときにも、非常に役立っています。これまではサーバーを物理的に増強するか、サーバーに張り付いて異常が起きたら再起動するくらいしか対処法がなかったので、クラウドになってからの安心感は大きいです」(佐々氏)

不慣れな企業でも簡単に実装

 クラウド基盤を社内に構築する際、導入に対する工数も気になるところ。Azureの導入にあたり、技術的に苦戦したことはないのだろうか。

 「私も含め社内のメンバーの利用しているプログラミング言語が違うこともあり、移行する際に多少苦労したことはありました。しかし、慣れない環境でも比較的すぐ導入に持っていくことが出来たと思います。また、これまで何かマーケティング施策を試す場合、サーバーの調達など事前の準備が大変だったのですが、全てクラウド上で行えるため、導入工数の削減と作業効率の向上に繋がりましたね」(佐々氏)

 クラウド基盤を導入するメリットは、工数削減だけではない。1つのプラットフォームで機能が充実している点も大きかったという。

 「例えば汎用ツールを使う場合、レコメンデーションや広告の最適化など、機能によってツールを使い分ける必要があります。それが複数サイトにまたがれば、使い分けがさらに難しくなってきます。もちろん、1つのサービスに対し1つの施策をとことん追求するのであれば、1つの汎用ツールを使いこなすことで解決できるかもしれません。

 ただ多くの場合、カスタマイズの難しい汎用ツールで100点満点の成果をあげることは、難しいのではないでしょうか。Azureには機能がそろっていることで、自社向けに最適化でき、各社の目的に合わせた最適解を導き出せるところに優位性があると思っています」(奥沢氏)

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成熟した技術で安定した運用が可能に

 また、Azureを利用している利用者の多さもメリットになるようだ。

 「“新規で自社向けに機能をカスタマイズする”と言えば聞こえはいいですが、裏を返せば“バグが発生するリスクを負う”ことにもなります。必然的に工数も増え、リリース後にバグが見つかってサービスに影響が出る危険を冒す可能性も高まってしまうのです。

 それであれば、Azureですでに多くの人が使っていて、成熟した技術を活用したほうが、バグなどのトラブルなく非常に安定するという大きなメリットがあるのではないかと思います」(奥沢氏)

今後はロボット、そして新たな領域へ

 ビッグデータ活用に取り組みたい企業が年々増加する中、“分析者がいない”あるいは“どう活用して良いのかわからない“という悩みを持つ企業も多い。ナレッジコミュニケーションには半年間で約100社の企業から機械学習に関する問い合わせが来ているという。

 「Azureで提供されている機能と独自のアルゴリズムを組み合わせることで、一般の企業でも機械学習を活用できる可能性が大きく広がっています。弊社では、“とにかくデータを集める環境を整えて、活用方法は後で考えよう”とご提案しています。

 お問い合わせをいただくお客様の中でも、最初からニーズが固まっているケースは少ないです。ディスカッションをしていく中でだんだんとイメージが固まっていくことが多いので、“活用したいけど、どうすればいいのかわからない”という時点でご相談頂ければ、弊社が徹底的にサポートします」と奥沢氏は語る。

 また、同社ではロボットに対する機械学習の活用も積極的に取り組んでいる。このロボットのプログラムに活用しているのも、Azureの「Microsoft Project Oxford」で提供されている顔・画像・音声認識の機械学習APIだ。

 「機械学習のニーズは、これからさらに高まっていくと思っています。その中で弊社は、多くのトライ&エラーをナレコムはもちろんロボットでできる環境があります。そして、それらの経験から得られた知見を活かし、それぞれの顧客に合った機械学習の最適な活用法を提示していきたいです」と奥沢氏は語り、機械学習の世界に対する期待を大きく膨らませた。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/12/18 17:33 https://markezine.jp/article/detail/23507