Facebookは、11月30日、Supershipと日本国内のオーディエンスネットワークの拡大に向けたパートナー契約を締結する旨を発表した。両社は日本におけるパブリシャーネットワークの構築に共に取り組んでいく。
Supershipは、広告事業・インターネットサービス事業・プラットフォーム事業等の事業基盤を活かした新たな価値の提供を目指し、2015年11月1日にスケールアウト、nanapi、ビットセラーの3社が合併したKDDIのグループ会社。
Facebookのオーディエンスネットワークは、Facebook上でユーザーに表示している広告をFacebook以外のモバイルアプリ上でも表示できるアドネットワーク。高精度のターゲティング機能や測定機能など、Facebook広告の様々な機能を利用できる。また、グローバルなオーディエンスへのリーチにも利用可能だ。
本提携により、本日より順次Supershipが提供する「Ad Generation(以下、アドジェネ)」のネットワークにすでに繋がっている「グノシー」「Zaim(ザイム)」「ジョルダン乗換案内」「ジモティー」「au スマートパス」などのモバイルアプリがオーディエンスネットワークへ参画。広告主はこれらのアプリにFacebookからFacebook広告の配信を行うことが可能になる。今回の発表に伴い、Facebook Japan 執行役員 パートナーシップ事業 日本代表の横山直人氏にインタビューを行った。
日本におけるネイティブ広告への市場の転換を仕掛ける
――Facebookのオーディエンスネットワークについて。
横山氏:Facebookのオーディエンスネットワークは、2014年にローンチしたモバイルアプリに特化したアドネットワークです。オーディエンスネットワークを活用することで、広告主はFacebookの高いターゲティング精度を利用して、他社のアプリまで広告キャンペーンを展開し、モバイル上でのリーチを広げることができます。一方、媒体社はFacebook上の250万社を超える広告主にアクセスでき、Facebookのターゲティング精度が高いことから広告の収益パフォーマンスも向上し、マネタイズに直結させることができます。またユーザーにとっても、自分の興味関心にあった広告が表示されることで、アプリ自体のユーザーエクスペリエンスが向上します。このように広告主、媒体社、そしてユーザーの3者それぞれにメリットがあります。
――今回のSupershipとの連携について。
横山氏:これまでFacebookは媒体社との直接取引に注力してきたのですが、SSPとオーディエンスネットワークが直接連携する今回の取り組みは、世界で初めてです。媒体社と強い関係を持つSupershipと組むことで、一緒に日本の市場を作っていきたい。
今回の取り組みによって、媒体社はより簡単にFacebookのオーディエンスネットワークに接続できるようになります。広告主にとっては、アドジェネに接続している「グノシー」など、国内でおなじみのアプリへ、精度の高いFacebookのターゲティングを利用した広告を打てるようになります。
――初めてのパートナーにSupershipを選んだ理由は?
横山氏:いくつか理由はありますが、まずはモバイルアプリに強いSSPであること。また、ネイティブ広告に対しての熱い思いが共有できたことも、理由のひとつですね。日本におけるアプリビジネスの環境は整ってきましたが、広告面に関してはバナー広告の比率がまだ多い現状があります。しかし欧米の状況を見ると、ネイティブ広告への移行が急速に進んでいます。その市場の転換を、これまで多くの媒体社を支援してきたSupershipと一緒に、我々のほうから仕掛けていきたい。今回の提携が、その起爆剤になると信じています。
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