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Adobe Summit 2016 レポート

マーケターはストーリーテラーに/ジョージ・クルーニーは語る「ストーリーテリングは新しい場所と方法へ」


シルク・ドゥ・ソレイユはコンセプトを売っている

 シルク・ドゥ・ソレイユのバイス プレジデント、アルマ・デリックス氏が登場。サーカスという、まさにその場でしか味わえない「体験」を売っているのが彼らだろう。ショービジネスは、リアル以外の他のメディアで表現しきれない魅力がある。ショーを録画したものを家で見ても、ステージでの体験とはまったく異なる意味合いとなる。それはパフォーマーとの物理的な距離感の違いがあるためで、シルク・ドゥ・ソレイユでは「近さ」も体験の重要な要素となっているのだ。デリックス氏によると「私たちはショーを売っているのではなく、コンセプトを売っている」ということだ。

シルク・ドゥ・ソレイユ バイス プレジデント アルマ・デリックス氏
シルク・ドゥ・ソレイユ バイス プレジデント アルマ・デリックス氏

 さらに、観客との心的距離感を縮めるための創意工夫も続けている。例えば、一般的なショーでは派手なBGMや効果音を多用するのに対し、シルク・ドゥ・ソレイユでは意図的に音を小さくし、パフォーマーのちょっとした会話を聞こえるようにするという試みを行っている。そうすることで、舞台上での物語とは異なる、パフォーマー同士や舞台裏にあるストーリーを伝えようとしているのだ。

 ストーリーを伝える工夫はステージ上に留まらない。「シルクショップ」というダンス教室も開いている。そこでは、シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーが講師を行い、ショーとは別の形で顧客と接点を設けているのだ。これもストーリーを作って人を惹きこむ工夫の一つだ。

Adobeも取り組んだ「スパークセッション」とは

 アクロバティックなサーカスは危険と隣り合わせだ。そのため、安全性を保つためにもチームは強い信頼関係で結ばれていなくてはならない。そこにもストーリーがある。そのストーリーを伝え、また社会的意義のあるものにしているのが「スパークセッション」。シルク・ドゥ・ソレイユのレッスンを体験するというプログラムだ。Adobeでもこのプログラムに参加したという。

Adobeが参加した「スパークセッション」の様子
Adobeが参加した「スパークセッション」の様子

 オフィスなどの日常的な環境から離れ、ストレッチやステージ上での立ち回りなど、普段やらないことを参加メンバー全員で取り組む。信頼関係の組み立て方やチームビルディングについてとても多くのことを学べる。同時に、シルク・ドゥ・ソレイユの舞台裏にあるストーリーを体感できるという仕組みだ。

 では、次にハリウッドを代表するスターの話を見てみよう。

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ジョージ・クルーニーは「リアル」を重視

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/24 18:39 https://markezine.jp/article/detail/24163

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