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COLUMN

パルコ島袋氏はキリンへ。東急ハンズ緒方氏はニートに!?デジタルマーケターの新天地にかける想い

尊敬できる上司との出会いがターニングポイントに

島袋:上司といえば、僕も上司との出会いが職業人生のターニングポイントになったところはありますね。

――そうなんですか?

島袋:2013年当時、経営企画室にいた林(直孝)さんがWeb上での接客を仕組み化し、推進していく「WEBコミュニケーション部」を立ち上げられたんですね。そこに、僕も異動で配属されることになって。

 配属当初、僕は当時のキャリアとしては、そこは「仮住まい」的な感覚でした。入社以来ずっと商業不動産デベロッパーをやってきていて、それが本業だと思い込んでいたんです。ですが、林さんの下で、デジタルマーケティングという新たな世界を見せてもらって、やればやるだけ、その業務の奥深さにハマっていきました

――その時は異動が出会いのきっかけになったわけですね。

島袋:そうそう。そういうこともあるから、異動が悪いというわけじゃないんですよ。会社組織として必要なことだし。

緒方:若いうち、20代とか30代初期とかだったら異動で希望とまったく違うとこに配属となったとしても腐らずにやるべきですよね。一般的な企業の総合職でいえば、やってみて自分に向いている仕事が見つかるということも少なくない。その時わからなくても、後になって気づくんですよ。修行になっていた上に給料までもらえるってありがたいことです、と。 僕自身がまさにそうで、WEBチームへの異動は転職か、それ以上にインパクトあるものでした。しかし、結果的にこれが自分のキャリアの骨子になるものだということを知ることができたのは、この異動の仕組みのおかげです。

iPhoneを使っていたという理由で未経験の仕事を

――緒方さんは、東急ハンズ入社当時はどういった業務を?

緒方:元々インテリアに興味があって東急ハンズに入って、照明のバイヤーをやらせてもらっていました。その後、iPhone3Gが爆発的にヒットして、スマホアクセサリーの需要が高騰したんですね。で、僕は社内ではかなり早い段階でiPhone使っていたものだから、「なんかあいつ詳しいらしいぞ」みたいな話になったのかはわかりませんが、東急ハンズ初のスマホアクセサリー売り場を作ったりしていました。スマホケースのバイイングは本当に楽しかった。

島袋:あはは、わかる、そのムード(笑)。僕も流行りだす前からiPhoneを使っていたから、「あいつはデジタルに詳しい奴」ってことになっていて、気がついたらWEBコミュニケーション部に入っていた。当時は、そういうガジェット好きというか、アーリーアダプターが集まってデジタル関係のチームができていた感じがある。

緒方:そう、でも好きで使っているだけで別にITにめちゃくちゃ詳しいとか、そういうことはなかったんだけど……。その流れなのか、2010年に本社の通販事業部に異動になった。最初はネットストアの運営を担当したのですが、Webのことは本当に右も左もわからなくて「html? 何それおいしいの?」状態ですよ。別業種に転職した以上に何もわからない状態。

――それで、どうしたんですか?

緒方:専門書いっぱい読んだり、勉強会に出まくりましたね。特に勉強会は重要視していた。同じ悩みを共有したり、わからないことを聞くことができる仲間が欲しかったんです。そうしていくうちに、自分たちのネットストアやWebマーケティング領域において足りないものに気づけるようになっていって。上司の長谷川は経営面を磨き、僕は現場の勉強を重ねて、チームで成長していきました。

Twitterをきっかけにネットとリアルの融合を考えるようになった

――島袋さんは上司との出会いがターニングポイントになったということでした。緒方さんの場合、ターニングポイントって何かありましたか?

緒方:僕も長谷川さんの下で働けたということがなによりも大きいですが、新たなPRチャネルとしてハンズの公式Twitterアカウントを開設し、その影響力の大きさを体感したことが僕の転機になりました。お客様とネット上でリアルタイムにやりとりでき、すぐにレスポンスが返ってくるのが衝撃的だったんですね。僕もそのお客様もその場にいるわけではないのにありがとうが言えることの素晴らしさ。これに尽きます。これならハンズの店員をネット上に置けるコミュニケーションプラットフォームになると思い、そこからWebにどっぷり浸かっていこうと決意しました。

島袋:それまでTwitterは使ってなかったの?

緒方:個人のアカウントは持っていなかった。企業アカウントのことも海外事例でしか知らず、「お金をかけずに宣伝できるかもしれない」くらいの認識でしかなかったんですよ。

 それが実際に運用してみると、「◯◯ってありますか?」って在庫確認の質問がお客様からきて、「それならどこどこにありますよ」と返す。すると「じゃあ今から買ってきます!」とリアルな行動に移せる。そういうことが当たり前になっていくんですね。

 2011年の東日本大震災の際にも、Twitterがインフラとして機能し、人命救助にも役立っていましたよね。そういう、ネットやデジタルツールを使ってリアルをよりよくしていく状況に立ち会ったことがすごく大きい。それぞれの足りないところを補っていける、「ネットとリアルのシームレスな融合」を強く意識するようになりましたし、それが僕のキャリアプランの骨子になりました。

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/06 10:00 https://markezine.jp/article/detail/24495

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