まとめ
筆者は、ウェブのいろいろな進化に比べると、アレクサの改善速度が追いついていないようには感じています。アマゾンが、アレクサのデータ提供を収益にうまく変える方法を思いつけていないのも力を入れられない理由ではないでしょうか。
しかし、ブラウザの中に組み込まれていた歴史や、その知名度、(実数はわかりませんが)アレクサ・ツールバーの普及度の高さを見ると、アレクサが先行した分を他の競合サービスが追いつくのはなかなか簡単ではありません。
以前に比べるとアレクサの問題点や限界も少しずつ認識されてきているようです。ブログなどでアレクサのデータやグラフを誤った解釈で紹介すると、コメントや他のブログでの反論が見られるようになってきました。
アレクサを他の○○に置き換えても問題は解決しない
しかし、そのようなアレクサの限界を見たライターやブロガーの中には、単にアレクサを使っていたところをComScoreやCompeteのデータやグラフに置き換えて、それでよし、としている人も少なくありません。
ウェブの仕組み上、ComScoreやCompeteなど他の競合サービスが、アレクサの持っている問題からまったく自由であることはないからです。 ウェブの本質がブラウザとサーバの間の独立したバラバラのアクセスであり、昔のパソコン通信のような、どこかひとつの中央サーバで管理された仕組みではない以上、すべての正確なアクセスを正確に収集・記録・分析することは不可能だと断言できます。
そういう意味で、単にアレクサを使わずもっとマイナーなサービスのデータを使うというだけであれば、何も問題は解決していないどころか、参加ユーザが少ないためにより恣意的な他ユーザの操作に踊らされる危険も高まるかもしれません。
一つの指標に頼らないこと
ウェブの本質を理解せずに、どこか一社が提供している指標で、広告やSEOの成果測定をおこなったり、広告料金の算定に使ったりする無知が、不正の温床となります。複数のサービスの値を見て比較することで、ある特定のサービスで急な変化があったときに、それが確からしいのか、何か操作が行われているのか、を知ることができるかもしれません。 そういう意味では、アレクサ以外のサービスが多数出てきて使えるようになったのはよいことでしょう。