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思わず喉が鳴るオウンドメディア、サッポロビール「OVER QUALITY」に込める思いとは

会員アンケートの回答者の8割超が好印象、商品の購買にも一役

――公開からもうすぐ1年、どのような手応えを感じていますか。

工藤:コンテンツを公開した後には滞在時間や回遊性、直帰率を始め、細かな解析をしています。ありがたいことに非常に大きな手応えを感じています。また、「OVER QUALITY」を閲覧くださった会員さまにアンケートをお願いし定性調査も行っていますが、8割超もの方が好意的な印象を抱いてくれているようです。

 数字という面では、とりわけ直帰率が非常に低く、ターゲットとしていた若年層の方の流入率が高い。顧客ニーズから見えてきた「旅行」を切り口に、読み物としての面白さを打ち出すアイデアが受け入れたのではないでしょうか。

山根:実施したアンケートは、キャンペーンの側面も担っていました。アンケートに参加された方々のなかから30名にレギュラー6缶セットをプレゼントという、比較的小規模なものです。それにも関わらず回答された約半数の方が、フリーアンサーの欄にもお言葉を寄せてくださったことには驚きましたね。中には「テーマとして取り上げた地に足を運んだ」というお声もありました。

 また、商品売上げに直結させるための企画ではないにも関わらず、フリーアンサーを読んでいると「黒ラベル」や「ヱビス」といった、商品名を書いてくださる方も少なくありませんでした。こうしたお客さまのお声からも、ハードワークから生まれる達成感と最高の一杯というこのコンテンツへの共感が、商品ブランドへの好感度向上につながっていると実感します。

拡散方法の模索と、ユーザーの声を活かした企画の二軸で推進

――コンテンツ内では料理にフォーカスした企画「Kitchen by SAPPORO OVER QUALITY」も実施されていますね。これは、当初から考えていたのでしょうか。

工藤:当初は考えていなかった企画です。ですが、顧客ニーズを考えると、グルメとお酒は切っても切り離せないものがあります。グルメとお酒の親和性の高さからか、「OVER QUALITY」に寄せられるアンケートのご回答にも、「もっとレシピについて詳しく知りたい」というお声が少なくありません。そこで「OVER QUALITY」という世界観がしっかりできあがった段階で、やはり「グルメ」という切り口でもお客さまのニーズに応えていこう、と。

山根:解析の結果や、お客さまのお声は大切な資産であり、活かしていくことが重要です。一方で、スピンオフ企画についても「OVER QUALITY」のフレーズに象徴される超越したニュアンスは、非常に大切にしています。例えば「シュラスコ」のような料理は、グランピングを行うよりは身近だけれど、かなり頑張らないとありつけない。最高の一杯に帰結させるストーリー性が欠かせません。実際に、「OVER QUALITY」としての世界観を守ることで、コンテンツ全体の回遊性が高まったことが数字として確認できています。

――今後はどのような展開を構想されていますか?

工藤:大きな手応えを感じている「OVER QUALITY」ですが、拡散という面では、自社のFacebookと、会員のみなさまにお送りしているメールマガジンのみでの情報発信が現状です。しかし、ターゲットである若年層はソーシャル世代ですから、今後、Instagramを始めとしたSNSでの拡散、流入のポテンシャルを強く感じています。

山根:拡散方法の開拓と同時に、実はスピンオフ企画からさらに「料理」というニーズを深く掘り下げた新企画も展開中です。サッポロビールのコーポレートサイトへの検索ワードを分析すると、お料理のレシピを求めて辿り着く方も非常に多い。そういったお客さまの需要に応えるために「OVER QUALITY」の一筋縄ではいかない世界観を踏襲した、「サッポロ うまっ旅」をローンチしました。こちらでは、最高の食材を求めて「OVER QUALITY」のスタッフが全国各地へと飛び回ります。各地へと足を運ぶ過程をガイドブックのようなビジュアルで展開することで、より“自分ゴト化”できるコンテンツにしていきたいですね。

工藤:アンケートのご回答を読んでいると「『OVER QUALITY』の撮影に参加してみたい」というお言葉もあります。参加型の「OVER QUALITY」が、もしも実現すれば、最高の一杯を味わう感覚を五感で感じていただくことができます。撮影は本当にハードな現場ですので、実現するにはクリアしなければならない問題が多々ありますが、例えば、この世界観を動画で再現することができれば、読み物以上の体感をご提供できるでしょう。このようにお客さまのニーズに寄り添いながら、絶えずお客さまに向け、最高の一杯が飲めるシーンをお届けしていきたいと考えています。

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D2Cスマイル編集部(ディーツーシー スマイル ヘンシュウブ)

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2016/12/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/25669

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