ECサイトの認知度を高めることを目的にする
── 動画を制作してみていかがですか。
動画についてはとても興味がありました。ネット広告のメインはバナー広告などになりますが、やはりメッセージを表現しきれていないというか、伝わりきっていないところもあると感じていました。弊社のブランドを知らない顧客に、いきなり商品を購入してもらうのは無理なことなので、今回は、まずRUNWAY channelを知ってもらうことを主眼におきました。目的が明確になったので、今までやったことのない、おもしろくて注目されるようなクリエイティブを作りたいと考えました。
動画の大まかなコンセプトに関しては、トレンドワードを取り扱ってほしいということを、私のほうからクリエイターさんにお願いしました。動画を見ていただくとわかる通り、ファッションの神様が、トレンドワードを面白おかしく表現するのですが、モデルの子はさっぱりわからないというストーリーです。
「RUNWAY channel」ブランディング動画 from Viibar on Vimeo.
そのトレンドワードの詳細を教えてくれるのがランチャン(RUNWAY channel)だよという落とし方にしたかったのですが、それをクリエイターさんが、非常にうまく表現してくださいました。
ブランドイメージと面白みのある印象の両立
── 動画を見たユーザーの反応はいかがでしたか?
「RUNWAY channelで商品を購入してみたい」といった反応や、「こんなサイトは知らなかった」「サイトを見たいと思った」といった良い反応がありました。今回の動画では、売上に対する効果は、それほど求めていなかったので、あくまでこんなサイトですよというメッセージが、新規ユーザーになる潜在層に少しでも伝われば良いと思っていました。その期待には答えてくれたと思っています。
── 御社のカッコいいブランドイメージと、おもしろい動画をミックスさせるのは、なかなか難しいことだったと思うのですが、社内をどのように説得されたのでしょうか?
やはり、ブランドにはなかなか理解されにくい部分がありましたね。これに限ったことではありませんが、若い子たちの間で流行っている現象というのは、我々の世代には100%理解はできないことなので、説得というよりは、目的だけを伝えて淡々と進めていった感じです。
重要なのは、動画を見てサイトを知ってもらうことです。従来通りのブランディングは、そのあとサイトを見てくれた顧客に対してしっかりと見せていけば良いことなので。もちろん、おもしろいと言っても、あまりダサくならない程度の遊び心で、ブランドイメージを毀損しないギリギリのラインを狙ったつもりです。
── 御社内での反応はいかがでしたか?
正直なところ、制作前は、社内でどういった反応があるか不安な面はありました。しかし、ブランドやサイトを知らない潜在顧客に、注目してもらうというのが重要な目的なので、そこがブレてしまうと、やる意味がないと思っていました。
あまりブランド側のスタッフの意見を聞いてしまうと、どうしても優等生的なクリエイティブになってしまいます。それでは、競合他社のやっているキャンペーンとの差別化が図れません。ですので、内容的にはブランドイメージに反する部分があっても、多少は目をつぶってほしいと考えていました。最終的にブランドサイトにランディングしてもらえれば、ブランドのコンセプトを理解してもらえるはずですからね。
動画リリース直後は、多少ですが社内で反発もありました。しかし、新しい顧客層に響いたという感触もあり、動画の効果検証も良かったので、そこは結果オーライといった感じで、これから売上という数字に繋がっていけば、皆理解してくれると思います。