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企業とライターがWin-Winな市場目指す、クラウドソーシングの「サグーワークス」は他社と何が違う?

 オウンドメディアに取り組む企業が急増する一方、記事情報の不正確さや制作姿勢が問題視されるなど、改めてWebコンテンツのつくり方やメディアの在り方についての議論も多い。どうすれば質を担保しながら、ユーザーにとって価値ある記事を制作し続けられるのか。企業のコンテンツマーケティングを支援するウィルゲート専務取締役の吉岡諒氏に、Webマガジン「MarkeZine」編集長の押久保剛が聞いた。

問われるWebコンテンツの品質

押久保:2016年末のキュレーションメディアに端を発したWeb上の記事の質や作成フロー、著作権などについての問題は、各方面に大きな影響を与えました。コンテンツマーケティングの支援事業を展開するウィルゲートさんはどのような印象をお持ちですか。

右:株式会社ウィルゲート 専務取締役 コンテンツマーケティング事業部 最高責任者 吉岡諒氏、左:株式会社翔泳社 MarkeZine編集長 押久保剛
右:株式会社ウィルゲート 専務取締役 コンテンツマーケティング事業部 最高責任者 吉岡諒氏
左:株式会社翔泳社 MarkeZine編集長 押久保剛

吉岡:「起こるべくして起きた」でしょうか。今回問題になったキュレーションメディアでは、クラウドソーシングを利用して安価な報酬で記事を作成し、著作権のチェック等の基本的な品質担保をしっかり行っていませんでした。私は以前から、そのような姿勢に疑問を感じていて、いつか問題化すると懸念していました。

押久保:確かに、記事調達の方法が一因となっている印象があります。クラウドソーシングを利用する上で、何が問題だったとお考えですか?

吉岡:クラウドソーシングを利用する上で大事なことは、依頼する記事のテーマに精通しているクラウドワーカーに書いてもらうこと、そしてクラウドワーカーが作成した記事の品質を担保するためのプロセスを踏むことです。プラットフォーム型のクラウドソーシングサービスでは多くの場合、クラウドワーカーと利用企業が直接やり取りをするので適切なライターを見つけられるかどうかは企業次第となりますし、企業側がしっかりと記事の品質をチェックすることが必要になります。ですから、依頼側である企業に管理・編集スキルがない場合、品質の管理が難しくなるのです。

押久保:仰るとおり、システムだけあっても、優れたコンテンツを制作できるわけではありませんからね。

吉岡:はい。どうしても、その点が抜けがちだと思います。ただ、今回の一件で「記事の品質管理が重要だ」と認識を新たにされた企業様も多く見受けられるので、そういう意味では一つのターニングポイントになったのではないかと思います。

始まりはEC運営、コンテンツの重要さは身にしみている

押久保:御社でもクラウドソーシングサービスを提供していますが……。

吉岡:当社の記事作成特化型クラウドソーシングサービス「サグーワークス」は、ライターにはプラットフォームを利用してもらいますが、利用する企業様には「受託型」という形態をとっています。当社で企業のニーズをしっかりとヒアリングし、記事とマッチングするライターをアサインすることで、コンテンツの品質を担保できるソリューションとしてサービスを提供しているのです。

プラットフォーム型と受託型の違い
プラットフォーム型と受託型の違い

押久保:受託型のクラウドソーシングは管理にも手間がかかり、効率化も大変だと思います。なぜ、サグーワークスを始められたのですか?

吉岡:まず弊社の創業の経緯ついてお話させて下さい。代表の小島と私は小学生からの友人で、高校を卒業した2005年、18歳の時に2人でEC事業を始めました。当時はお金がないので広告費はほとんど捻出できず、自前のSEOだけでマーケティングを行っていたんです。それでも一度だけ、外部のSEO会社に依頼してみたことがあるのですが、成果が出ないことに加えて、誠実な対応をして貰えなかったと感じ、結局自分たちで試行錯誤する道を選びました。

 そうしてノウハウを蓄積していくうちに、次第にSEOの効果の高さと可能性を感じ、「まっとうなSEOソリューションをつくろう」とSEO支援を本業とすることを決めました。後発参入ではありましたが、多くのお客様にご利用いただき、社員数も2008年の10名から2012年には100名を超えるまでになりました。こうした中、2012年以降日本でもGoogleのパンダアップデートが実施され、検索エンジンマーケティングにおけるコンテンツの重要性が高まりました。弊社でもこの変化を強く感じていましたし、お客様からのご要望も急増したことから、記事作成支援の事業化を検討し始めました。

 そこで多くのワーカーの力を借りることができるクラウドソーシングに目を付けました。しかし、資産となり得る良質なコンテンツを提供し、企業に対して適切なコンテンツ支援をするためには、記事の企画から納品物の品質担保までを行わなければなりません。そこで、多くのクラウドワーカーの力を借りながら、ウィルゲートが間に立って品質担保を行う「受託型」のクラウドソーシング「サグーワークス」を2012年12月に立ち上げるに至りました。

押久保:なるほど、身を以て高品質なコンテンツ制作の必要性を実感されていらっしゃるわけですね。

吉岡:はい、良い記事を作成するための試行錯誤や陥りがちな失敗など、一通り経験しています(笑)。

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良質な記事はライターのマッチングがカギ

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/03/28 18:34 https://markezine.jp/article/detail/26196

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