ユーザーの動きを正確に捉えるために必要なテクノロジー
――今回の取り組みにおけるSupershipの役割について教えてください。
小林:私たちの役割は、スマートフォン領域のデータの補強とプロダクト側からの技術提供です。
――クロスデバイスでのユーザーの動きをトラッキングするために必要なテクノロジーは何ですか。
小林:マッピングテーブルと呼ばれているものがあって、PC、スマートフォン、モバイルIDを横一列で見ることでユーザーの消費行動をより精緻に可視化することができます。楽天様は特にPC領域のデータをもっていますので、それを生かすことのできるプラットフォームの開発がさらに必要になると思います。
――両社のマッピングテーブルをマージすることで、より正しいデータが多く蓄積できるということですね。
渡邉:はい。データには、ファーストパーティデータに基づく決定論的なID(Deterministic ID)と、確率論的なID(Probabilistic ID)があります。どれだけ決定論的なデータをもっているかで、広告精度が変わっていきますから、そこが私たちの強みになると思います。たとえば、複数のタブレット2台とスマートフォン2台とPCで利用しているユーザーが同一であることも導き出せることになります。
――膨大なデータを持つ両社の取り組みにおいて、意識した点はありますか。
小林:現状として、マッピングテーブルというところで、お互いのデータを掛け合わせ切れていません。それぞれのビジネスがある中で、お互いが組むメリット、デメリットを検討しながら進めていました。
データというものは非常にセンシティブなものです。ユーザーに不利益はないのかという部分には時間をかけ、ユーザーのプライバシーについても慎重な取り扱いを心がけています。
――ありがとうございます。次回の記事では引き続き、両社の取り組みのより具体的な話を掘り下げていきます。お楽しみに。