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CXの意味、勘違いしていませんか? ゼロスタートがレビューエンジンの提供で目指す、本当のCXとは

レビューが促す購買行動

 先述したように、商品や付帯情報よりも、レビューそのものを見にきている人も一定層いる。では、レビュー自体は商品の購買にどのくらいつながっているのだろうか。

 「米国のECでは、0レビューの商品が1レビューになるとCVRが10%リフトするそうです。つまり、3%だった場合は3.3%にリフトします。そして30レビューになるとCVRが1.5倍、50レビューだと約2倍になるという興味深いデータがあります。また、レビュー数が20件で平均評価が5点中4点の商品より、レビュー数が100件で評価が5点中3.5点のほうが売れるという統計も出ているそうです。レビューの母数も重要で、CVRを高めるのに寄与しています」(山崎氏)

 山崎氏は冷静に、「レビューエンジンを導入したからといって、国内の状況が一気に変わるわけではない」としながらも、CXの分析にレビューが浸透していくことも間違いないし、避けられないとの見解を示す。

 「たとえば、売上を前年比で2倍にあげたい場合、先ほどの米国ECの例を引き継ぐと、レビュー数を50に到達するための費用は、売上を2倍にするための広告費より安く抑えられるでしょう。というのも、広告費を通常より2倍にしても売上が単純に2倍にはなりません。広告費を4倍、8倍と増やし集客増を図れれば、どうにか到達できるようになる。であれば、コンバージョンを引き出すためのレビューの活かし方ができると、経済的で、かつ未開拓のマーケティングソリューションになりえます」(山崎氏)

レビュアーにも還元がある仕組みを目指す

 ZETA VOICEは、すでにゼロスタートの既存サービスを導入するクライアント約200社を中心に、採用企業を募っている段階だ。無論、レビューを監督する専門機関の協力も得ながら、ルールに基づくレビューの運用を徹底する。

 将来のレビューを取り巻く状況について、山崎氏はどのような見解を持っているのだろうか?

 「Amazonは1つの軸でしかレビューが付けられない仕組みのため、たまに商品の中身に対する論評ではなく、配送や商品の状態に対する感想や批判が掲載されていたりします。

 そもそも1つの軸でレビューを付けるのは無理があって、人によって評価は千差万別。ZETA VOICEではそうならないよう、価格や品質など様々な観点で評価できる仕組みにします。さらに人気順、レビュアーの評価の高い順などで並べ替えができることで、商品の本質的価値がより浮き彫りになり、商品の透明性に寄与できるようにします」(山崎氏)

 最後に展望を聞くと、2つの未来について踏み込んだ言及があった。

 「1つは、システムとレビュアーのデモグラフィックデータを掛け合わせられるようにしたいです。これが実現できれば、自分と同じ世代だと味の評価が高い、世帯年収が自分に近い人の評価は厳しいなど、評価者のアスペクトと製品およびサービスのアスペクトを組み合わせたレビューが可能だからです。

 もう1つが、レビュアーにもきちんとリターンが得られる仕組み作りです。経済圏の中にレビュアーを入れて、レビューを集約したサイトを作りたい。この文脈の成功例がYouTuber。レビュアーへの還元の仕組みができていれば、レビュアーの本気度を高めることにもなりますし、レビューの質の担保にもつながります」(山崎氏)

 CXに基づくレビューエンジンZETA VOICEが、マーケティングソリューションにどれほどの新風を吹き込むのか。ZETA VOICEの動向に今後要注目だ。

今回記事に登場したゼロスタートのソリューションはこちら!

・消費者からのリアルな声で「本当の価値」を可視化する
 レビューエンジン「ZETA VOICE

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この記事の著者

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/09/04 13:00 https://markezine.jp/article/detail/26860

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