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有園が訊く!

Webのみでもガンガン売れた「VAIO」 トップクリエイターも思う、急いで解決すべき課題とは

売りにこだわるのがロックじゃないか!

有園:確かに、そうですね。

小霜:でも商品を売ろうと思ったら、もっと確実に成果が見込める全体設計が必要です。僕はまず、運用サイドと相談して、この規模のマーケットにアプローチするならどのくらいの運用費が要るか確認します。そこに2,000万円必要なら、じゃあ残りの1,000万で何をすべきか、どんなコンテンツがつくれるかを考えていく。

 別に、賞を否定するわけじゃないんです。賞はエージェンシーが外部からクリエイターを起用するときのお墨付きにもなるし、やはりクリエイターにとっては自分のステータスです。それは独立してからも同じですね。まあ、僕はちょっとへそ曲がりなので、本当にものを売るということを突き詰めてどこまでいけるか、というのがロックじゃないかという感じになってきて。

有園:ロック! まさに生き様ですね。でも確かに、広告でも厳しくリターンを求められる時代になり、いよいよ売りにつながらないと次がない風潮になってくるんでしょうね。

小霜:そう。で、ダイレクト系以外でもWebで売れるしブランディングできるのは証明したでしょう、と言いたい。だから先ほどもお話しましたが、Webが出てきて「よし、武器が増えたな」と。商品を売るために、使えるものは何でも使うということですね。

本当に大切なのは、組織の壁をなくすこと

有園:実践に基づいたお話、ありがとうございました。振り返ると、マスとWebは同じように考えられるものであり、Webで売ることは十分可能だと。

小霜:そうですね、根っこのアイデアを出す点においては同じです。緻密に全体を設計すれば、テレビCMを起点にプロモーションを展開するように、WebCMを起点にモノを売ることもできる。もちろんWebならではの特性はありますが、それを押さえながら経験を積むことで、どんどん使いこなせるようになるはずです。

有園:最後に、今マスとWebの違いに悩んでいるクリエイターやマーケターに、アドバイスをいただけますか?

小霜:Webは極めて精緻にターゲティングできるのが特徴的ですが、これまで新聞広告とOOHでメッセージを変えたり、メディアによって表現を調整してきたように、それぞれでターゲットに響くクリエイティブを考えればいい。マスの延長線上でいいんです。

 逆に、デジタルが万能なわけでもない。商品や市場の状況次第で、デジタルだけで完結することもあれば、マスをデジタルが補完し得ることもあるでしょう。

 今いちばん言いたいのは、組織の問題です。マスとWebが分断しているのは広告主企業の組織の分断によるところが大きくて、それに合わせる形でエージェンシーも分業している。

有園:組織の壁が、全体設計を難しくしているんですね。

小霜:そうです。同じ商品を扱いながら、マスとデジタルが互いにまったく動きを関知していないなんてことが本当に多く起きています。組織の壁を取り払うことが、マスとデジタルの統合を大きく加速させるはずです。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/08/29 08:00 https://markezine.jp/article/detail/26919

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