編集者の持つ力が、最大の魅力に
MZ:御社のインフルエンサーマーケティングの支援を受けるメリットを教えてください。
田中:先ほどお話しした雑誌が持つコミュニティの力や、スペシャルインフルエンサーの影響力はもちろんですが、編集者の持つ力もあると思います。私は編集力を、目利きをして、惚れ込み、育てる力だと思っていますが、この3つを使って編集者が丁寧にアサインを進めることが魅力になればと思います。

現在スペシャルインフルエンサーとして活躍しているような方でも、最初は編集者がこの人は、と見つけて登場してもらい、雑誌での掲載回数が増えるごとに人気が出るというようなことが往々にしてあります。雑誌はまさにインフルエンサーを育て、活躍していただく場であり、この事業は、我々の編集力が活かせると思っています。
MZ:また、御社では様々な女性ファッション誌を発行しているので、その幅広さも強みになりそうですね。
田中:おっしゃる通りです。女子高生向けの『Seventeen』から50代前後をターゲットにした『éclat(エクラ)』まで、今回の事業では女性ファッション誌に関しては10誌、男性ファッション誌は2誌が対象になっています。これだけのラインナップをそろえられるのは集英社ならではと自負しています。
MZ:福田さんは御社のインフルエンサーマーケティング事業の強みはどこにあると思いますか。
福田:3パターンのアサインができるところに尽きると思います。読者インフルエンサーと編集部チョイスのインフルエンサーに関しては、レモネードのシステムで煩雑になりがちな運用が半自動的で行えます。さらに、これまで弊社の編集部がこれまで構築してきた人間関係で可能になったスペシャルインフルエンサーのアサインもできる、ここまで体系化されているのは弊社だけだと思っています。
煩雑な作業をツールで簡素化
MZ:今回レモネードの「INFLUENCER ONE」を導入した決め手はなんだったのでしょうか。
田中:アサインする、案件の意図を伝えるといった各プロセスが非常に行いやすい設計になっているからですね。それはレモネードの方が実際に運用して苦労する部分を改善しているからこそだと思います。また、登録インフルエンサーの方のクオリティチェックを行っている点も評価しています。
最近では、編集者も紙だけでなく、デジタルやSNSに関する業務も行いますので、業務が煩雑になっている中、インフルエンサーマーケティングまで行うのは大変です。いくら良いといっても大きな負荷がかかると続けられない中で、INFLUENCER ONEのシステムなら継続できると思ったのが導入の大きな理由です。
インフルエンサーを通じて雑誌のファンに
MZ:今後インフルエンサーマーケティング事業を展開する上での展望を最後にお願いします。
田中:最近では、雑誌が厳しいといわれていますが、コンテンツ力や編集力など、長年培ってきた強みもたくさんあると思っています。その強みをSNSやWeb上に活かして展開できることがあるはずなので、インフルエンサーマーケティング事業も軌道に乗せたいですね。
福田:読者インフルエンサーに加わりたいという読者の方が今後増えて、マーケティングキャンペーンに参加するのが楽しいと思ってもらえるようにしたいです。そして、各誌のブランドにシンパシーを感じてもらい、改めて紙にも興味を持ってもらえればさらに嬉しいですね。
MZ:今回の事業が読者と雑誌の絆をより深めていくきっかけになりそうですね。
田中:これまでも読者とは密にコミュニケーションを取っていて、編集長の時代に読者の自宅にお邪魔して交流することもありました。そういったことから実際に多くのヒントを得られたのも事実です。読者インフルエンサーの方には、きちんと各雑誌の編集者が間に入る守られた環境で投稿していただけるので、ぜひ参加していただければと思います。