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デジタルトレンドレポート

【調査】将来の成長に先行投資 加速するネット広告企業の東南アジア展開


各企業の参入経緯と現状

AdAsia holdings

 近年東南アジア地域での展開で注目を集めている日本企業の最右翼は、元マイクロアド東南アジア事業責任者、十河宏辅氏が率いるAdAsia Holdingsである。

 アジア全域を対象とした広告プラットフォームやインフルエンサーマーケティングプラットフォーム、動画広告ネットワークなどを提供する同社の設立は2016年4月。設立地は日本ではなく、シンガポールである点が大きな特徴だ。

 その後タイ、インドネシア、ベトナムなどで拠点展開を開始。2017年2月にはカンボジアにも進出。そのスピード感は目を見張るものがある。また2017年4月には、日本支社を設立し日本への逆進出というユニークな動きをしている。

アドウェイズ

 東南アジアで展開する日系企業の老舗アドウェイズは、2011年5月に、ベトナムにまずは開発拠点を設立して以降、主要6カ国のうちマレーシアを除くそすべてに進出を果たしている。

 2015年6月には、元々開発拠点として進出したベトナム ホーチミンに、営業拠点を設立している。同社は、東南アジア各地では、アフィリエイトサービス事業者としてよりも、モバイルを中心とする広告代理店として展開している印象が強い。

インタースペース

 インタースペースもまた、ここ数年東南アジア地域で急速な事業展開を進めてきた。2013年9月には、インドネシアに、そして11月にはタイに拠点を設立し、アフィリエイトサービスの提供を開始。タイやインドネシアでは、現地大手ポータルサイトとの提携によりアフィリエイト事業を強化している。

 ベトナムでは2015年5月に現地で広告ネットワークを展開するMWORK社との合弁会社を設立し、アフィリエイトサービスを開始するなど、基盤を広げている。

オプト(オプトホールディングス)

 オプトが東南アジア地域への展開を始めたのは、2011年8月。東南アジア地域でモバイルプラットフォーム事業を展開するMCN社との資本提携により、シンガポールとタイに進出。

 その後オプトは2014年6月にシンガポールにASEAN事業の拠点としてOPT SEA社を設立、MCN社は子会社として傘下に入る。2016年8月にはインバウンド・アウトバウンド需要の取り込みを目的にgrasia社を設立、シンガポールとタイに拠点を構えて事業を行っている。

ジーニー

 SSP事業を展開するジーニーの東南アジアでの事業展開は、2012年8月のシンガポール子会社 Geniee International社 の設立を皮切りとする。その後インドネシア、ベトナムなどで子会社を設立する一方で、トランスコスモスと提携し2014年11月にASEAN地域でSSPを提供する事業合弁会社Simba Digital社をシンガポールに設立した。

 同社はマレーシア、インドネシア、タイなどに営業拠点を設け、ASEAN10カ国を対象にSSP事業を展開している。また、インドネシアでは、2015年7月にSSPなどを手掛けるアドテクノロジー企業ADSKOM社に出資。

 翌2016年6月には、インドネシアのAndroid向けアプリマーケット「OOMPH」を運営するGALACTIC MULTIMEDIA社に出資するなど、積極的な展開をしている。

DAC(D.A.コンソーシアムホールディングス)

 DACは同地域では2012年頃より広告プラットフォームMarketOneをはじめとするグループが持つアドテクノロジー関連ソリューションの拡販を進めてきた。2012年5月にDAC ASIA社をシンガポールに設立、マレーシアを本拠地に、東南アジア全域で事業展開をする大手アドネットワークInnity社をパートナーとして事業を拡大。Innity社は、マレーシアで株式を上場する企業で、主要6か国すべてに拠点を持つ。

 その後DACは同社を関連子会社化し、合弁でi-DACを設立。i-DACはシンガポールから、インドネシア、タイと拠点を広げ、東南アジア全域で拡販している。

 2017年初めには、タイの大手プレミアムパブリッシャー連盟OPPA(Online Premium Publishers Association)の立ち上げの全面的支援を行うなど、タイネット広告業界全体に大きな影響力のあるプロジェクトを主導している。

マイクロアド

 マイクロアドもまたアドウェイズと共に、ネット広告業界において東南アジアへの進出の先駆けとなった企業である。独自の人的ネットワークにより、2011年6月にインドネシアで現地偉業と合弁会社設立による拠点開設以降、現地の有力な提携先を次々と開拓、東南アジア全域に急展開した。

 シンガポールに東南アジア展開の本拠点を置き、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピンと、主要6カ国すべてに拠点を開設してきた実績を持つ。東南アジア地域では、同社の日本における主力のDSP事業以外にも、ブランド系企業などを顧客とした広告代理事業も行っている。

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東南アジア進出は将来の投資も兼ねる

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この記事の著者

野下 智之(ノシタ トモユキ)

株式会社デジタルインファクト 代表
ExchangeWire.jp 編集長

1983年設立の市場踏査会社、株式会社シード・プランニングの独立プロジェクトとして、2014年10月にデジタルインファクト(Digital InFact)を設立、2016年4月に法人化。

デジタル領域を対象とする市場・サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/29 17:06 https://markezine.jp/article/detail/27068

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