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定期誌『MarkeZine』特集

Account Based Marketingを実践する

 マーケティング部と営業部の方向性を合わせ、顧客本位を実現して生産性を飛躍的に高めるコンセプトとして「Account Based Marketing(ABM)」への注目が高まっています。どのような概念で、なぜ昨今注目されているのでしょうか。その背景と実践手法について、先駆的にABMに取り組んできた経験から、解説します。

※本記事は、2017年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』21号に掲載したものです。

マーケティングとは何か?

 そもそも、マーケティングとは何でしょうか? 私がマーケティングという言葉を考えるときは、「マーケティングは営業を包含する概念(Marketing = Marketを獲得すること)」「マーケティングの対立概念としての『開発』」という2つの視点で考えます。

開発=市場を作る行為
マーケティング=(開発によって作られた)市場を獲得する行為

 「開発」によりサービスは開発され、改善され、「マーケティング」により市場を獲得し、サービスは成長していく、と考えています。

 昨今、ITサービスのクラウド化、製造業のIoT化の進展により、すべてのBtoB事業において、サブスクリプションモデル化が進んでいます。サブスクリプションモデルのユーザーにとっての本質は「簡単にスタートし、簡単に解約できる」点です。であるからこそ、ユーザーに圧倒的なメリットがあり、サブスクリプションモデルは爆発的に広がっています。

 逆にサービス提供者にとっての本質は「ユーザーによってLife Time Value(生涯価値/以下、LTV)が大きく異なる」点です。

 すべてのBtoB事業がサブスクリプションモデル化し、ユーザーによってLTVが大きく異なるという新時代に突入した今、「“開発によって作られた市場”をLTVベースで適切に把握し、LTVが高い市場を適切にターゲティングしてリソースを集中し、LTVの合計値を最大化すること」という形にマーケティングを再定義する必要が生まれたのです。

 これを図表1で説明すると、赤の円を黄色の円の中で広げていくことを目指すということになります。

図表1:LTVの大きさで市場を選定する
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ABMの2つの側面

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この記事の著者

佐久間 衡(サクマ タイラ)

株式会社ユーザベース FORCAS・JVR事業担当 執行役員
UBS証券投資銀行本部にて、テクノロジーセクターおよび金融法人セクターを担当し、企業の財務戦略アドバイザリー業務に6年間従事。2011年3月から2012年4月にかけては、ロンドン本社にて日本企業の欧州企業買収案件を担当。国内の大型統合案件、海外企業買収案件...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 17:37 https://markezine.jp/article/detail/27070

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