SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣

主婦ブロガーを起用して大成功!徹底的な階層化で自走するcottaのコミュニティ運営事例

特定の業界を獲得したいなら、その業界のドンを捕まえよ

松澤:レシピを提供してくれるパティシエ2名、ブロガー10名が揃い、かつ一般人がどんどん自由に投稿できる機能が揃って自動的にレシピが集まる。この時点で、かなり理想的な状況だと思うのですが、さらにこのコミュニティの階層化もされていますよね?

佐藤氏はい。ブランディングにはプロが必要だなと思ったので、パティシエを増やしました。親会社のタイセイのお客様は、小さいケーキ屋さんなどが主だったので、パティシエの中でも上位層への知名度がまだ低かったんです。

 そこでスイーツ界のトップofトップ、辻口博啓氏にアプローチをしました。パティシエへのお支払いの金額はすべて一律ですが、快く承諾をいただき、レシピ掲載に至りました。

松澤氏:おお!一気にパティシエ界のトップを獲得したんですね!

佐藤氏辻口氏には、「一般人でもプロの資材を使ってレベルの高いお菓子作りをしてほしい」という思いを伝えました。個人的なつながりは一切なく、真っ正面から思いを伝えようとメールしました。快諾いただき取材・掲載した後は、辻口氏のレシピと並ぶならと、多くのパティシエがレシピ提供の取材を受け入れてくださるようになりました

パティシエが増えたことで、コミュニティの認知がプロの業界まで拡がった
パティシエが増えたことで、コミュニティの認知がプロの業界まで拡がった

松澤:その業界のトップを獲得することで、一気にその業界のコミュニティも獲得できたんですね!

徹底された階層化でコミュニティを活性化

松澤:ところで、ブロガーさん達も、オフィシャルパートナーとパートナーの二層に分けていますが、これにはどういった狙いがあるのですか?

佐藤氏:ブロガーは一般ユーザーにとって手の届きそうな、でも一歩先を行く存在です。なので“私もなれるかも!”という親近感と“手が届きそうで届かない”憧れの両方がコミュニティには必要なんです。

 そこで、3つの基準から選定試験を行い、合格した方を弊社の「パートナー」に昇進させることで、コミュニティの階層化を実行しました。選定基準は、ブログがcotta掲載にふさわしい、 ブログからcottaへの流入数値が良い、レシピの質が高い、の3点です。

 パートナーになると弊社のサイトで紹介され、資材や食材のプレゼントがあるだけでなく、仕事の依頼もきます。パートナーの中でも上位の方を弊社サイトに常に掲載するなどして、競争原理が働くようにしています。

cottaのトップ層のパートナーさんたち。階層に応じて、表示の仕方も工夫している
cottaのトップ層のパートナーさんたち。階層に応じて、表示の仕方も工夫している

松澤:階層化させた結果、コミュニティがさらに活性化したんですね。それ以外にメリットがありましたか?

佐藤氏パートナーさんが、弊社のサイト作成を手伝ってくれるようになりました。もちろん仕事として依頼していますが、プロの方々で頼むよりも安価で、それにユーザー目線も理解してるので本当に質がいいんです。

 たとえば、エプロンの商品を紹介するページの作成を依頼すると、細かくディレクションしなくても自分のお友達を動員して撮影したり、ユーザー目線のライティングもしてくれるんです。社員ではないし、別に顔や名前を出してもらってるわけでもないのに、自分から積極的に関わってくださる方が多くて本当に感謝しています。

実際にパートナーさんが作成したサイトページの一部
実際にパートナーさんがコンテンツを作成したサイトページの一部

松澤:コミュニティメンバーを巻き込んでどんどん参加させているんですね!あと、そのパートナーさんやオフィシャルパートナーさんの事情をcottaの運営側が理解されていて、適正なお仕事を依頼されているというのも大きい気がします。

佐藤氏そうですね。パートナーさん達は地方に住んでいる方も多いのですが、少なくとも年1回は挨拶周りしてパートナーさんを理解するようにしていますね。パートナーさんたちの得意分野なども把握しています。先述したエプロンの紹介ページの依頼の時も、スタジオのような写真映えするキッチンを所有している方へピンポイントに依頼をかけています。

 cottaにとってブロガーさんは一緒に成長してきたまさにパートナーのような存在です。

次のページ
オフラインのイベントは嫌い! オンラインのイベントで大成功

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松澤 亜美(マツザワ アミ)

 コミュニティマーケティングを専門とするコンサルタント。2014年より、Pinterest Japan3人目の社員としてコミュニティマーケティングマネージャーを務める。その後2016年10月からadidas Japanでブランドマネージャーを務めたあと独立。現在は企業や個人に対し、自走するコミュニティの企画運営、活性化をメインに、コンサルタントとして活動している。

 また、2008年に異文化理解コミュニティLunch Tripの共同代表としてコミュニティを立ち上げて以来、国内4拠点や海外、保育園などで活動を拡大し続けている。その他、トラベルブロガーとして世界45カ国以上旅しながら各誌コラムを掲載したり、J-waveでトレンドコーナーを担当したこともある。

 配信ブログ:「Ami-Go!旅と食とピクニックと。」

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/09/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27091

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング