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コンテンツマーケティングの新常識

動画広告の抱える5つの課題 克服へのヒントは「会話ベース」なネット文脈の理解


ロジックを使って訴求内容をコンテンツに落とし込む

 そして、「商品にどう落とすか?」。ユーザーがおもしろがるコンテンツと、企業が伝えたいメッセージをどう調和させるか、というのはコンテンツマーケティングの核です。やり方はテキスト記事やマンガとほぼ同じなのですが、動画はユーザーが自分で時間をコントロールできない分、自然に組み込まないと一方的な企業目線に見えてしまいます

 広告とコンテンツの組み合わせにはパターンがあり、事例を基に型を作ってチームで共有するようにしています。コンテンツ作りにはセンスが必要で属人性が高いのですが、広告との組み合わせ方はロジックであり、特別なセンスがない人でも方法論を積み上げることができます。具体的には次回解説します。

これからはオリジナルソングが増える

 最後に「音をどうするか?」。テキスト記事を代表に、これまでWebコンテンツは無音の世界でした。しかし、映像化していく今後のWebコンテンツは音の表現力も問われるようになります。音のなかでも特に音楽をどう取り込んでいくか、というのは重要な課題になるでしょう。

 ただ現状はまだ、視聴者の半分は音を聞いてないという前提で動画を作っています。そのためにできるだけ字幕を入れるようにしています。

 音を入れる場合、既存の楽曲とのコラボも良いのですが、曲自体の有料販売を前提とした従来の楽曲はWeb文脈に最適化されてないため、ユーザーのリアクションを想定したネットに合った歌詞でオリジナルソングを作る機会が増えていくでしょう

 たとえば昔ヒットした歌「千の風になって」は、墓のなかに自分はいない、風になっているという歌詞でした。この歌は墓石業界にとって脅威です。墓は不要だと言っているのですから。

 私だったら対抗した歌を流行らすことを墓石業界に提案するでしょう。

「千の石になって」sponsored by 墓石業界

♪私のお墓の前に 毎日きてください~
 そこに私はめちゃいます~ 意識だけあります~

 私の歌詞センスは置いておいて、販売モデルに最適化した恋愛ソングばかりでなく、あらゆるジャンルを唄い上げる異色な歌が増えていくことでしょう。

5つの課題克服のためのヒントまとめ

 動画広告の抱える5つの課題と、それを克服するためのヒントをまとめます。

1.尺とコストの関係
 ⇒CMを超える尺を成立させる
2.作り手の文化の違い
 ⇒会話ベースなWeb文化を業界の映像のプロと共有する
3.バズと感動のトレードオフ
 ⇒オムニバス形式にドラマ性を掛け合わせる
4.商品にどう落とすか?
 ⇒ロジックを使って訴求内容の落とし込み方を標準化する
5.音をどうするか?
 ⇒ユーザーのリアクションを想定したオリジナルソングを生み出していく

 端末性能や通信環境、視聴環境の変化により、コンテンツマーケティングの中でも動画は特にめまぐるしい変貌の最中にあります。既存の価値観にとらわれず、表現内容も制作スタイルも柔軟に変えていく必要があるでしょう。

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この記事の著者

谷口 マサト(タニグチ マサト)

滋賀出身。マンガ原作者、LINE社コンテンツマーケティングチーム、チーフプロデューサー。ネットでオリジナルコンテンツを作ることをテーマに、LINE社で企業とコラボしたコンテンツを日々制作している。個人でもコンテンツ制作を行っており、月間300万PVの個人サイト「chakuwiki/借力」はベストブログ・オブ・イヤー...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/02/20 14:18 https://markezine.jp/article/detail/27129

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