両社に共通するポイント
———グループ化される前と違った互いの印象、逆にここは変わらないなというところなど、新しく気づいた点はありますか?

磯部:社員のみなさんも個性的だし、かっこいい。何より、チームとして活力があり、みんなが意見を発する、うまく機能しているチームだと感じています。すごく良いチーム作りができているなということが、この4ヵ月間での発見です。
———山本さんはいかがですか?
山本:みなさん、すごく温かいなと思いました。林野社長、高橋副社長はじめ懐の深さみたいなものをすごく感じましたね。
また、先端的なことを研究されているなと思いました。CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)をお持ちだということは知っていましたが、海外の情報収集もぬかりなく、しっかりとアンテナを張っている企業ですね。
磯部:そうですね。クレディセゾンの経営理念は「サービス先端企業」ですから、常に新しいことにチャレンジしています。
山本:オムニバスにも同じような理念があります。「カッティングエッジ」と呼んでいて、常に最先端でいること、そのためのチャレンジを最優先しようという考えです。
磯部:確かに、両社は共通した経営理念を持っていると思います。新たなことに取り組むチャレンジ精神はあるので、大企業だから、ベンチャーや中小企業だから、といった見方は絶対にしません。
僕の入社時点でクレディセゾンは比較的大きな会社でしたが、カードが使える店舗を自ら経営しているわけではないし、コンテンツを持っているわけでもないので、どこかとアライアンスを組まざるを得ないんです。当然アライアンスを組むのは、ビジネスアイデアやテクノロジーなどを含め、僕らが持っていないリソースを持っている企業になります。
つまり、僕らが持っていない何かを持っているからそこと組むという考えに基づくと、会社の規模は関係なく、イコールパートナーであるという精神は、末端の社員までみんな思っているので、そういう意味でその雰囲気が出ているのかなと思います。
山本:両社のすごく社風は似ているなと思いますね。クレディセゾンの20条の行動指針「ヒューマニズムの風土創り」も全部読んで、とても共感できました。
———最後に磯部さんから今後の展望をお願いします。
磯部:今回の取り組みは普通の業務提携とは違い、簡単になかったことにすることができません。カード会社として僕ら自身に危機感があって、だからこそ新しいことにチャレンジするタイミングだったといえると思います。
クレディセゾンはクレジットカードがビジネスの柱で、業界内の規制、新しい業種・外資からの決済分野への参入、リテールの環境変化など内外の要因で、僕ら自身が今のビジネスモデルを変えなきゃいけない、自ら変わらなきゃいけないという危機感がありました。そのため、僕が経営に対してオムニバスと一緒になってやっていきたいという話を進める時に理解も早かった。
世の中のタイミング、僕らのタイミングっていうのが絶妙にマッチしたのかなと思います。その奇跡的なタイミングが無駄にならないよう、良い成果をどんどん出したいですね。