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MarkeZine Day 2017 Autumn

H.I.S.が取り組むコミュニティマーケ施策「タビジョ」 自走化に至るまで1年半の軌跡をたどる


コミュニティ強化策2nd オフラインイベントの実施

 次に2つ目のフェーズでは、コミュニティの活性化を目的としたイベント「タビジョMeet Up」を開催した。これが2016年の10月から12月、コミュニティの立ち上げから7ヵ月後の展開である。

 オフラインでのイベントを企画したのは、Instagramで「旅好きの女子と会って話がしたい」とのコメントが多く見られたため。イベントでは、写真の上手な取り方をレクチャーした。

 「驚いたのは、ユーザーの写真の加工術です。たとえば、絶景スポットでは他の観光客が写りこんでしまい、なかなか綺麗な写真を撮ることが難しい。ですが彼女らは美白に加工するアプリを駆使して、背景に映り込んだ観光客を消すこともできるんです。

 イベントには数十人が参加してくださったのですが、実際に会って話したことでお互いに親近感がわいたのか、イベント以降ではユーザー間のコミュニケーションが活発になりました。また公式アカウントへのコメントも増加しました」(丹下氏)

 さらに、この時点でタビジョマップのエリアの拡充も実施。現在では10のエリアで展開しているそうだ。丹下氏はコミュニティの活性化を目的とした、2番目のフェーズからの学びとして「オンラインとオフラインを使い分けながら、コミュニティを強化することが重要」と述べた。

コミュニティ強化策3rd 大変革期

 次は、2017年1月から3月の期間に行った派生コンテンツ拡充の施策。コミュニティに一番大きな変化が起きたのはこの時期だという。

 一つ目の変化が、地方コミュニティの発生。ユーザーから自発的に「関西タビジョ会」を作りたいとのリクエストがあり、これを公式に認め紹介すると、他のユーザーにも連鎖反応が起こったのだ。現在は沖縄や埼玉など8ヵ所で、地方コミュニティが活動している。

 2つ目の変化は、公式のインスタグラマーの選定だ。タビジョでは5名のインフルエンサーを公式に認定。丹下氏はこの施策について「インスタグラマーの選定では、フォロワー数ではなく、コミュニティにいかに貢献してくださっているかを重要視しています。たとえば、我々が用意した“#tabijyo_cafe”などの派生タグをよく使用してくださることなどですね」と説明した。

タビジョ公式インスタグラマーによる投稿
タビジョ公式インスタグラマーによる投稿

 さらにこの5名には、Instagramのストーリー機能を用いて海外から旅行のレポートする役割もある。このレポートは、閲覧者のアクションに最もつながる人気コンテンツになっているそうだ。

 「加工のテクニックで見せる写真とは違って、ストーリーは気軽な日常、つまり等身大の旅行を届けやすいと考えました。今も月に2~3名のタビジョレポーターを海外派遣していますが、その期間はストーリーの視聴者数やアクションが非常に増えます。皆さん楽しみにしていただいているようです」(丹下氏)。

 この段階で#タビジョの投稿件数は、10万枚を突破。毎月2万枚ほどの投稿が行われるようになった。

 さらに2017年3月に入ると、自社の海外旅行商品として、タビジョツアーの販売を開始した。このツアーには、タビジョの写真やレポート記事などのデータを基に、SNS映えする場所が盛り込まれている。

 「面白かったのは、Instagramと相性の良い女子をターゲットに発売した商品なのに、幅広い年代の女性やカップルにも人気があったことです。ビジュアルを重視して商品を展開したため、今までより旅の魅力が伝わって様々な方に興味をもっていただけたのだと考えています」(丹下氏)

 タビジョツアーでは“フォトジェニック”というニーズを満たすポイントを押さえている。たとえば、バリ島ではビーチを貸し切って可愛いブランコを設置したり、カラフルな海の家を紹介したりなど、様々に工夫をしている。好評を博し、多方面での展開となっている。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/12 16:24 https://markezine.jp/article/detail/27399

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