業界ごとのトレンドや傾向をクリエイティブに反映
MZ:新規獲得に強いとのことですが、業界特化型の営業体制という御社の特徴と合わせて、何か事例があれば教えていただけますか。
内田:同じ広告プロダクト、同じソリューションでも、業界によって使い方や効果が異なるので、当社ではその点を踏まえて各業界に合った活用を提案しています。LAPでいうと、最近ではコスメ業界の動画活用で、とても高い効果が上がっています。
あるクライアントで、ECの売上の最大化が課題になっていました。効率を考えるとリピーターが中心になり、それだと頭打ちになってしまっていたのです。その解決策として社内では早々にLAPが挙がっていましたが、何を配信するかの部分で、コスメ業界のトレンドやユーザーの傾向を踏まえて「動画」を提案しました。
MZ:動画広告をLAPで配信したんですね。
内田:はい。LAPは総じてCVRが高く、新規ユーザーも獲得できますが、やはり使い方によって効果は上下します。コスメ業界は以前から、そもそもブランドイメージを重視して丁寧に制作されているテレビCMを動画広告に流用したり、Webオリジナルでもグラフィカルなイメージの動画を展開したりするのが主でした。ただ、これらは美しい反面で売上に直結させるのは難しく、何本も制作してA/Bテストをするのも非現実的でした。それがここへきて、コスメの顧客の間ではいわゆる“素人動画”がとても流行っています。ごく普通の人が実際に使いながらコスメを紹介するものですね。
コスメ紹介の“素人動画”でCVRが4.5倍に
MZ:なるほど。YouTuberやインスタグラマーが紹介しているような。
内田:それもありますが、何もインフルエンサーでなくてもいい場合もあります。このクライアント様の前に同業他社で、我々が社内で制作したコスメのプロモーション動画のLINE配信を試したところ、よりユーザー目線での動画の実績が良いことが確認できました。そこで、今回のクライアント様にも提案した経緯があります。
MZ:社内で制作というのは、特別な知識や機材があるわけではなく?
内田:そうです、本当にシンプルな機材で。内容も、そのコスメの具体的な特徴を掘り下げるというより、商品自体のかわいさやパッケージのこだわりを紹介したものでした。もちろん、従来通りハイクオリティの動画を求めるクライアントの場合は外部制作会社と組んで提供していますが、これを機にアフィリエイターに提供する簡単な撮影キットを用意したほか、社内でも従来の1/10の価格もしくは無料で動画を提供できる環境を整えました。
MZ:そうなんですね。では、今回の結果はどうだったのでしょうか?
内田:同時期に配信した静止画の広告に比べて、CTRは約1.7倍、CVRは約4.5倍、CPAは87%と大きな成果を上げることができ、目標としていた新規顧客の獲得にもつなげることができました。