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有園が訊く!

アルゴリズムも“質”を測る時代へ Facebookが目指す世界とは

ユーザーにとっての“質”とは何か?

有園:同じように出稿したけれど、モバイル用に仕立てた広告のほうがユーザーフレンドリーだったから、CPMが安くなり、そして回数が多くなった。それは、Facebookのアルゴリズムが、スマホ最適化した広告のほうがクオリティが高いと判断したわけですね。

鈴木:そうですね。モバイルに最適化した広告のほうが、ユーザーフレンドリーという基準に照らすと質が高く、テレビ用の素材を使ったものはここからのアクションや好意度が低かったのだと思います。

有園:クオリティは、ネット広告のプラットフォームを理解する上で、とても重要な要素ですよね。ネット広告の仕事をする人には皆さん覚えておいてほしいと思うのですが、元々、GoogleがAdWordsに広告の“質”を意味するクオリティスコアという概念を導入しました。

 それによってGoogleは、検索でよりユーザーに受け入れられる広告を出せるようになり、2011年にYahoo!がその戦いに負けてGoogleの検索技術を導入するようになって、今年の米Yahoo!の買収にもつながった……と、私見ですが、そう思っています。

 結果的に前後してしまいましたが、2008年にFacebookはGoogleからシェリル・サンドバーグをCOOとして引き抜いて、彼女が「Facebookにもクオリティスコアを取り入れる」と明言したので、今実際に鈴木さんがいわれたように、Facebookでも質を重視するようになっているのだなと思いましたね。

Facebook×Instagram活用の可能性

鈴木:私も、その流れにはGoogleが先鞭をつけたと感じています。

有園:質という切り口だと、Facebookでは友人の投稿がメインコンテンツなので話が違いますが、単純にコンテンツの質という見方もありますよね。

 昨年は年末に、キュレーションメディアの一連の騒動もあったりしましたし、Yahoo!にしてもYahoo! JAPANは故・井上雅博前社長がコンテンツに対する質のこだわりを人的に徹底したことで、生き残ったという見方が強い。

 少なくとも、Facebookのアルゴリズムとその結果の数値をみても、質の追求は今後ますます重要なテーマになりそうです。あくまで、ユーザーにとっての質、という。

鈴木:はい。そうなると、今取り沙汰されているような、ポイントごとのコンバージョン数値ではなく、純粋想起やブランディングにも十分ネット広告が寄与するのだという流れも強まると思っています。

有園:すると、多分ブランド企業ももっとFacebook広告を使ったほうがいいということになる。Facebookの宣伝をするわけではないんですが(笑)。前述のように、精度はかなり最強の域でしょうが、私が思うにリーチはまだ猛者がいますよね。それを踏まえて今後にひとこと。

鈴木:その点は、日本のFacebookのチャレンジがそこにあることは否めません。ただ、Instagramが爆発的に成長しており、Facebook/Instagramを合わせることで、シームレスな広告配信が可能になり、そこでボリュームをカバーできると思います。ファネルの上部から下部まで対応できるソリューションを着々と整えているので、来年以降また皆さんが驚くような事例を出せればと思っています。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27575

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