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有園が訊く!

アルゴリズムも“質”を測る時代へ Facebookが目指す世界とは

 デジタル上でのコミュニケーションは、企業のマーケティングやブランディングを明らかに変革し、速度と深度を増している。有園雄一氏が業界のキーパーソンや注目企業を訪ね、デジタルが可能にする近未来のマーケティングやブランディングについてディスカッションする本連載。今回は、今年すっかり定着した動画広告を切り口に、フェイスブック ジャパン執行役員の鈴木大海氏を訪ね、今後ますます加速するターゲティング精度と、ユーザーにとっての“質”の重要性を議論した。

動画コンテンツの集積サービスを北米でテスト中

Facebook 執行役員 鈴木大海氏 zonari代表執行役社長/電通デジタル 客員エグゼクティブコンサルタント 有園雄一氏
Facebook 執行役員 鈴木大海氏(写真左)
zonari代表執行役社長/電通デジタル 客員エグゼクティブコンサルタント 有園雄一氏(写真右)

有園:今回は、オーバーチュア時代の同僚でもある鈴木さんを訪ねました。さて、今年の象徴的な事象がいくつかある中で、動画広告の盛り上がりはそのひとつだなと思っています。いちユーザーとしても、FacebookやTwitterの動画広告が本当に増えましたよね。広告を含めて、この数年内で何か動画に関する数値はありますか?

鈴木:全世界のFacebookにおいて、広告とオーガニックを含めた1日あたりの動画コンテンツ再生数は80億、動画視聴時間は1億時間を超えています。これは昨年末時点の情報ですが、今年は当然さらに増えているでしょうね。Instagramだともっと顕著で、今年6月時点、全世界のInstagramにおける動画視聴時間が80%増、1日あたりに投稿される動画数は昨年と比較し4倍でした。

有園:動画まわりの最新情報でいうと、Facebookから“FacebookTV”なるサービスが出る、とどこかのニュースで見たんですよね。準備中、みたいな。いきなり言いにくいかもしれませんが(笑)、その真偽は?

鈴木:公式な見解では、そういう名前のサービスやハードウェアは現状ないです(笑)。ただ、動画関連でいうと、Facebookが北米の一部ユーザーにテストとしてβ版を展開している「Watch」というサービスはあります。

「Watch」のスクリーンショット

95%以上の精度でユーザー属性を把握

鈴木:Facebookの提携パブリッシャーが配信する数十秒から数分の短い動画、我々では“Show”と呼んでいますが、それらを集積しています。タブで切り替えると、そのページにいくんです。たとえば、アメフトのニュースチャンネルが試合のサマリー動画を配信したり。

有園:なるほど。もしかしたら、これを“FacebookTV”と言い表したのかもしれないですね。今は北米の一部でとのことですが、日本に来る予定は?

鈴木:それは、現時点では未定ですね。提携パブリッシャーも今は絞っていますが、今後どうなるかもわかりません。いずれにしても、Facebookとして動画の展開には積極的です。

有園:ではその積極的な動きの中で、そもそも現在Facebookがどのくらい使われているか教えてもらえますか?

鈴木:Facebookを利用する人は世界で20億、日本国内で約2,800万です。Instagramはそれぞれ8億/2,000万、それからFacebookと提携するメディアにもFacebookのターゲティングが有効な状態でFacebookと提携する外部のパブリッシャーに広告を配信できるオーディエンスネットワークの対象ユーザーが、12億/2,450万となっています。

 モバイルからのアクセスは、90%超。また、具体的な属性情報をいただいた上でマーケティングを実践できるので、人ベースのマーケティングを95%以上の精度で行えるのが特徴です。

鈴木:また、今年の6月にミッションを変更したことは大きいですね。以前は「Give people the power to share and make the world more open and connected(人と人との繋がりをサポートし、よりオープンで繋がった世界を実現する)」と掲げていましたが、それを「Give people the power to build community and bring the world closer together(コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する)」に変更しました。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27575

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