動画コンテンツの集積サービスを北米でテスト中
有園:今回は、オーバーチュア時代の同僚でもある鈴木さんを訪ねました。さて、今年の象徴的な事象がいくつかある中で、動画広告の盛り上がりはそのひとつだなと思っています。いちユーザーとしても、FacebookやTwitterの動画広告が本当に増えましたよね。広告を含めて、この数年内で何か動画に関する数値はありますか?
鈴木:全世界のFacebookにおいて、広告とオーガニックを含めた1日あたりの動画コンテンツ再生数は80億、動画視聴時間は1億時間を超えています。これは昨年末時点の情報ですが、今年は当然さらに増えているでしょうね。Instagramだともっと顕著で、今年6月時点、全世界のInstagramにおける動画視聴時間が80%増、1日あたりに投稿される動画数は昨年と比較し4倍でした。
有園:動画まわりの最新情報でいうと、Facebookから“FacebookTV”なるサービスが出る、とどこかのニュースで見たんですよね。準備中、みたいな。いきなり言いにくいかもしれませんが(笑)、その真偽は?
鈴木:公式な見解では、そういう名前のサービスやハードウェアは現状ないです(笑)。ただ、動画関連でいうと、Facebookが北米の一部ユーザーにテストとしてβ版を展開している「Watch」というサービスはあります。
95%以上の精度でユーザー属性を把握
鈴木:Facebookの提携パブリッシャーが配信する数十秒から数分の短い動画、我々では“Show”と呼んでいますが、それらを集積しています。タブで切り替えると、そのページにいくんです。たとえば、アメフトのニュースチャンネルが試合のサマリー動画を配信したり。
有園:なるほど。もしかしたら、これを“FacebookTV”と言い表したのかもしれないですね。今は北米の一部でとのことですが、日本に来る予定は?
鈴木:それは、現時点では未定ですね。提携パブリッシャーも今は絞っていますが、今後どうなるかもわかりません。いずれにしても、Facebookとして動画の展開には積極的です。
有園:ではその積極的な動きの中で、そもそも現在Facebookがどのくらい使われているか教えてもらえますか?
鈴木:Facebookを利用する人は世界で20億、日本国内で約2,800万です。Instagramはそれぞれ8億/2,000万、それからFacebookと提携するメディアにもFacebookのターゲティングが有効な状態でFacebookと提携する外部のパブリッシャーに広告を配信できるオーディエンスネットワークの対象ユーザーが、12億/2,450万となっています。
モバイルからのアクセスは、90%超。また、具体的な属性情報をいただいた上でマーケティングを実践できるので、人ベースのマーケティングを95%以上の精度で行えるのが特徴です。
鈴木:また、今年の6月にミッションを変更したことは大きいですね。以前は「Give people the power to share and make the world more open and connected(人と人との繋がりをサポートし、よりオープンで繋がった世界を実現する)」と掲げていましたが、それを「Give people the power to build community and bring the world closer together(コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する)」に変更しました。