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第106号(2024年10月号)
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定期誌『MarkeZine』特集

“コト”軸でLTVを高める ソニーが描くファン化の設計

 ソニーは2015年度、長らく続いた厳しい赤字の時代を抜け、黒字化を達成。翌年も維持し、この春には2018年3月期の黒字が前期比の1.7倍になるとの見通しを発表した。この回復には、モノを提供するという考えから、顧客体験を重視した“コト”を提供するマーケティングに舵を切ったことが背景にある。全国5ヵ所のソニーストアをリアルな接点の拠点とし、同時に高付加価値製品の市場を開拓している同社の戦略を、ソニーマーケティングの浅山隆嗣氏に聞いた。

※本記事は、2017年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』24号に掲載したものです。

高付加価値商品を前提にモノからコトの提供へ

ソニーマーケティング株式会社 ソニーマーケティングジャパン
執行役員カスタマーマーケティング本部 本部長(兼)ソニーストア支配人
浅山 隆嗣(あさやま・たかし)氏

1985年、ソニーに入社。2008年、ソニーマーケティングのコンスーマーマーケティング企画部 統括部長に就任。経営企画部 統括部長、リテールビジネス部門 部門長、カスタマーマーケティング本部 本部長を歴任し、2016年4月にソニーマーケティングジャパンの執行役員に就任。

――御社は常に市場を牽引する新機軸の商品を投入されてきました。数年の厳しい状況を抜けて、今また業績好調との報道がされています。まず、昨今の市場環境を教えてください。

 国内家電市場は2000年代に入ってから緩やかに縮小し、徐々に製品の差異化が難しい状況になっていきました。同質化商品が多くなると、価格も下落します。その中でさらに、ソニーには挙げていただいたように新機軸の商品を市場に投入し続けてきた経緯から、やはりひと味違うよねと驚かれる、他社とは違う差異化した商品を世に送り出すことを求められていました。よく論評でも、“ソニーらしさ”を問われたりしていましたね。

――そんな時代を経て、現在の回復を遂げた背景には、どういう転換があったのでしょうか。

 先のような厳しい環境下で、質の高い商品を提供するのは前提ですが、それだけではない、市場創造につながり、お客様に新しい価値を感じてもらえるような商品の開発に軸を移すことにしました。そこで打ち立てた方針が、高付加価値商品による新規市場の創出です。前述のように、同質化すると価格競争に陥りますし、ブランドのロイヤルティも発揮できません。顧客にわかりやすい形で差異化した商品を打ち出さなければ、ソニーファンや世の中の期待に応えられない。これは必須の転換でした。

 でも、高画質や高音質というのは体験しないと伝わらないので、スペックの説明だけではなかなか購入に結びつかない。これを背景に、商品のスペック情報から一歩引いて、顧客の体験をより豊かにする発想でマーケティングをしていく“モノ”軸から“コト”軸への転換を図りました。商品を買っていただいて終わりではなく、むしろそこからどう満足して使っていただくか、顧客満足度やLTVの向上に注目するようになりました。

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/07 10:52 https://markezine.jp/article/detail/27640

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