※本記事は、2018年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』26号に掲載したものです。
斬新な定額制モデルで会員数を伸ばす
株式会社favy 代表取締役社長 高梨 巧(たかなし・たくみ)氏
19歳で起業し、上場企業からスタートアップまで、のべ1,000社以上とビジネスを創造してきた「企画屋」。現在はfavyの代表取締役として、「飲食店が簡単に潰れない世界」を作るべく奔走中。
――近年、様々な業界でサブスクリプションモデルが取り入れられていますが、中でも飲食業界における定額制は目新しさもあって注目されています。この分野では御社が先駆的な取り組みをされていますが、具体的な事業内容をお聞かせください。
まず事業全体の概要から説明させていただきます。当社は、グルメ情報メディア「favy(ファビー)」の運営をしています。また、飲食業界の新たなマーケティングモデルやビジネスモデルを確立するために店舗の経営もしています。メディアのほうは、飲食店を記事形式で紹介し、SNSを通じてさらなる集客・認知獲得を図ることができるサービスです。こちらも有料サービスは月額制のサブスクリプションモデルですね。
リアル店舗のほうは、2016年10月にスタートした完全会員制の焼かない焼肉屋「29ON(ニクオン)」、そして定額制でハンドドリップのコーヒーを提供する「coffeemafia(コーヒーマフィア)」等があります。coffee mafiaのほうは、会員以外の方もご利用可能です。
――今回は店舗運営の話に絞ってうかがえればと思います。それぞれどのようなサービス体系なのでしょうか。
29ONは年会費、coffee mafiaは月会費で運営しています。まず29ONですが、こちらは年会費に加え、ご来店時にはコースメニューの代金をお支払いいただく形です。coffee mafiaは、1杯200円で提供しているハンドドリップのコーヒーについて、月額2,000円をお支払いいただければ1来店につき1杯をフリーでご提供しています。1日に何度来店されても構いません。
――会員数や店舗数は増えているのでしょうか。
どちらも会員数は公開していませんが、おかげさまで順調に増えています。
店舗についても、29ONは、2016年に西新宿で8坪ほどの店舗を開くところからスタートし、12月には表参道店をオープン。その後は池袋など4店舗を構えるまでに成長しました。coffeemafiaも西新宿店に加え、2018年1月には飯田橋にも店舗を開きました。