既に広告営業の売上は、7割がマルチプラットフォームに
――プラットフォーム上のオーディエンスデータの活用とは、具体的にはどのようなものをイメージすれば良いですか?
スニータ:我々は、まず第一にユーザーを理解することをスタートポイントに置いています。ユーザーがその瞬間に求めている情報を見極めて、各メディアに最適化した状態になるようコンテンツをプログラミングし、配信するためのデータを蓄積し、活用しています。
――マルチプラットフォーム上では、多くの企業による広告キャンペーンも行われていますよね。
スニータ:ええ、ブランド企業と一緒に広告の話をする時は、主に3つのポイントについて話をします。一つ目は、広告の肝となるオーディエンスについて。2つ目は広告のクリエイティブについて、3つ目はプラットフォームの選択についてです。

まず初めに、どういったオーディエンスに広告を届けるのかを決めていきます。CNNICには「CNN AIM」という、オーディエンスのインサイトを測るツールがあります。これは、インサイトデータに基づいて、車や旅行、エンターテインメントといった業種ごとに、代表的なオーディエンスをカテゴライズするものです。簡単に言うと、オーディエンスのインサイトデータを分析・活用する仕組みですね。
グレッグ:広告営業に関しては、既に約70%がマルチプラットフォーム上での売り上げになっています。しかし、コンテンツセールでは、まだ従来の放送局というプラットフォーム上での取引がメインですね。既に取り組み始めていることですが、デジタルパブリッシャーと協働することによって、CNNのコンテンツをデジタルの領域に進出させ、共に成長していきたいです。
広告コンテンツもユーザー体験を向上するものであるように
――広告主は、「CNN AIM」でカテゴライズされたオーディエンスに向けて、広告キャンペーンを設計するのですか?
スニータ:最終的には「CNN AIM」でカテゴライズされたオーディエンスを、さらに細かくセグメント化していきます。クライアントに合わせて、特注のオーディエンスカテゴライズを創り上げます。
インサイトデータは、マルチプラットフォーム上でのユーザー行動データの分析から得られるものです。たとえば、いつ何を見るためにどこのプラットフォームに来ているのか、どこからCNNのプラットフォームに来ているのか、どういうコンテンツを好んでいるのかなどですね。
これらのユーザー行動から興味関心などを抽出し、オーディエンスの居住地域・性別・年齢・職業などの属性データも掛け合わせて細かくセグメントしていきます。「誰に対して、どんなコンテンツを届けるのか」という広告戦略を設計していくのです。
――これまでのお話は、キャンペーン実施前のデータ活用でした。キャンペーンの実施中さらには実施後は、どのように最適化を図るのですか?
スニータ:キャンペーン前に最適なオーディエンスを特定し、キャンペーン中はリアルタイムで広告配信の最適化を図ります。そして、キャンペーンの実施後は滞在時間や回遊率、エンゲージメントなどのデータから効果を測定し、次の施策へつなげています。
CNNの広告コンテンツはブランドのストーリーがターゲットにきちんと伝わるものであると同時に、オーディエンスの体験を向上するものでなければならないという考えで、広告活動に携わっています。