カード利用額の増分に対するマーケティングROIは約5倍に
――三井住友カードとしては初めてというGIF動画を活用したキャンペーンを実施したわけですが、GIF動画への評価や効果測定の結果はいかがでしたか?
福田:今回のキャンペーンは、当社サイトにて事前エントリーしていただいて期間中に1万円以上カードをご利用いただいた会員に対して、抽選で賞品をプレゼントするものでした。たまたまGIF動画を目にしてエントリー、応募するに至った会員もいらっしゃり、GIF動画の閲覧数や評価も予想以上に高かったですね。
またキャンペーンへの応募総数ですが、非常に高い数字を記録しました。具体的には、同様のキャンペーンより、1.3倍程度の応募をいただけました。
その内訳はどうだったかというと、調査の結果外部メディアから影響を受けて応募をしたという声が約1万件を占めていました。つまり、GIF動画のキャンペーンによる応募が1万件程度あったと推察できるわけです。
この数字は期待以上の結果でした。キャンペーンには予算がありますので、当然ながら費用対効果が問われますが、「投資に対する効果=クレジットカード利用額の拡大」という点からも広告価値に換算して約5倍と充分にペイする施策になり社内の評価も高かったです。
さらにGIF動画が、TwitterやFacebookといったSNSを通じて拡散して、キャンペーンサイトへの流入や当社の企業イメージアップや好感度アップにつながったこともうれしい副産物でした。
そもそも、認知度アップ、エンゲージメント向上のためのWebマーケティングには2つのアプローチがあると考えています。
1つはInstagramやYouTubeにバズるコンテンツを投下して拡散をねらう方法。もう1つが地に足の付いたコンテンツで持続的に露出の拡大を図っていく施策です。
ちょっと話題になるような動画や画像を拡散ねらいでバズらせるという方法も確かに効果はあるのですが、それは「瞬間」で終わってしまう。GIF動画には、「バズをねらいつつ継続的に露出を高めていける施策」としての魅力があると思っています。
よく言われるように、GIF動画には「短尺」「クリックレス再生」「自動ループ」という特徴があります。テレビでもWebでも動画による広告が敬遠されるなかで、短時間で負担なく見てもらえるGIF動画の体験は生活者にとっても受け入れやすく、そこに作品のクオリティが加勢することで大きな効果につながる可能性を秘めていると思います。
GIF動画は作品としてWeb上へ残せるという特徴があるので、バズらせて拡散させる方法と、継続してイメージ定着を図っていく施策との中間のような活用方法を見いだしていけると期待しています。